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今回紹介いたしますのはこちら。

「かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~」第6巻 赤坂アカ先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックスより刊行です。


さて、かぐやと白銀のポンコツぎみな恋の駆け引きを描いていく本作。
正直二人は完璧な両想いだったりするのですが、お互いの意地のせいで何とも進展のない日々が続いております。
ですが前巻では夏休みのイベントなんかもありまして、盛り上がりはしたのですが……?


学生生活と言うものは、いずれ終わりが来るものです。
そしてその時の流れの中で、まずは一年間の、生徒会の任期が終わりを告げようとしていました。
1年ってあっという間ですよね。
そう言いながら生徒会室の荷物を片付けていく千花。
石上は実質半年くらいしかここに来ていないため、余計そう感じると言っています。
そして白銀は、この生徒会質には2年くらいいた気がするとちょっとメタ気味な発言をするのですが……
かぐやはその中でも、特別寂しそうな様子。
本当に、本当にこの1年は、一瞬……でした。
ですがかぐやが感傷に浸る間もなく、千花が何かを発見。
それはフランス校との交流会の時に使われた看板でした。
思い起こせばその時も、いろいろとありましたが……とりあえずこの看板はまた使うかもしれませんので、生徒会室に残したままにします。
次に千花が手を付けたのは、子の生徒会質で遊んできた数々のゲームグッズです。
ババ抜きやら神経衰弱やらと言った比較的スタンダードなものから、ドーンだYO!でおなじみの(?)NGワードゲーム、かぐやを萌え殺しそうになった白銀の犬耳カチューシャなどなど、数々のゲームやそれがらみのアイテムが出てきました。
一部は石上のいないときに行われたものだったりしまして、石上はなんだかおもしろくない気分を味わってみたり。
ですがその中のごく一部には、白銀すら知らないアイテムも紛れ込んでいたり。
千花が懐かしそうに取り出した
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キューバリファカチンモと言う謎の物体は、これっぽっちも見覚えがありませんし、何に使うのかも全く分かりません!
ですがそれに関して千花が説明しようとすると、かぐやは珍しく白銀の前であからさまに取り乱し、うっすら涙を浮かべつつ千花を止めるではありませんか!
それはまだ私の中で消化しきれてないの、と絞り出すように言うかぐや……
白銀は、自分すら知らないエピソードがあるとモヤモヤを抱えながら、整理を続けるのです。

そうこうしているうちに、生徒会室の整理は終わりました。
忘れ物がないかを確認し、それぞれの荷物を持って生徒会室を後にします。
ファミレスで打ち上げでもしようか、などと言いながら外に出ていく一同ですが……生徒会室のドアが閉まった途端、千花がぽろぽろと涙をこぼし始めたではありませんか。
大粒の涙ばかりか、鼻水をすする音を隠しもしない千花。
そんなのずるいわ、と小さな声で言うかぐやの瞳にも、うっすらと涙が浮かび……
白銀は、そんな皆に優しく声をかけます。
みんな、お疲れさま。
本当にありがとうございました。
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……こうして、白銀達第67期秀知院生徒会は、全活動を終了したのです。

その後、一同はファミレスで打ち上げを行いました。
そこで問題となったのは、白銀の呼び方です。
みんなは当たり前のように会長と呼んでいたわけですが、もう白銀は会長ではないわけで。
御行くん、と下の名前で呼ぶような恥じらいのないことはできない、と悩むかぐやですが、その隣に座っていた千花は平気でみゆき君呼ばわりをしやがります!
なんて軽薄なんだ、いやでも今どきはそう言うテンションで良いのか、そんな軽々しい感じではダメなんじゃないか、と自問自答するかぐや。
その間に、今度は石上が白銀のことを「みゅー先輩」ととんでもない呼び方で呼び出すのです!
みゆきのみゆでみゅーか、なんと可愛いんだ、と驚愕するかぐや。
なるほど、あだ名として呼べば問題がないじゃないか、と納得し、さっそくそれで予防とするものの……ギリギリのところで勇気が出ず、結局会長と呼んでしまうのです。

学校生活は来年も続きます。
生徒会長にもう一度立候補しようと思えばできるわけですが、なにせ生徒会長は激務。
白銀は会長をすることによって特別な理事長推薦と言う特典を受けることがもくてきでかいちょうになったわけですから、それを得られた今もう一度会長をやるメリットはありません。
かぐやは自分が会長になって白銀を副会長に任命するという手も考えたようですが……副会長になったらなったで、白銀は持ち前の真面目さで会長の時のように「頑張りすぎ」てしまうのは間違いないでしょう。
となればその道を選ぶのはあまりにも非道と言うもの。
かぐやは、楽しく思い出深い1年間を過ごすことのできた生徒会と別れを告げる決意をするのです。
打ち上げが終わり、さあおうちに帰ろうと言うときになり。
かぐやは、お疲れさまでした、白銀さん、と声をかけて別れよう、としたのですが……
やはり彼女には、どうしてもその呼び方がしっくりこないのです。
気が付いた時には、白銀の袖を引きながら、こう言っていたのです。
わがまま言っちゃだめですか。
一生に一度のわがままです。
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私は、会長は会長がいい……
……今まで見せたことのないような、はかなげなかぐやの言葉。
それを見た、白銀は……!!



と言うわけで、大きな大きな動きが起きてしまう今巻。
かぐやと白銀が一緒にいろいろする唯一にして最大の理由である生徒会。
それが、一気になくなってしまう……
いろいろあって自分からアプローチすることのできない二人、そうなれば自然と距離ができてしまうはず。
と言うことは、本作の継続も難しくなっちゃうでしょう!!
ここで、かぐやの弱々しい本音を聞いた白銀がどう出るのか!?
再び物語は盛り上がりを見せてくれそうです!!

そしてそれ以外の、通常のエピソードももちろん用意されております。
あいも変わらぬかぐやのもはや到底天才とは思えない空回りっぷりの披露される、白銀の誕生日イベント。
天体観測に夢中になるあまり、いつもなら絶対に言わない凄い台詞を連呼してしまう白銀。
そんな通常の二人のやり取りの他、今回はサブキャラたちが活躍するエピソードもたっぷり用意されております。
かぐやが白銀の妹や千花とその妹たちとともに待望のウインドウショッピングするお話では、白銀の妹、圭とかぐやの絡みが楽しめる上、白銀の今まで知らなかった一面が垣間見られたり。
早坂がメインとなるお話では、恋愛に関してはとことんかぐやを見下している彼女が、自分だったらもっとあっさり白銀を落としている、と白銀に迫ってみたり……!!
そんな滑稽でありつつもかわいらしい彼女たちのあれこれを愛でるお話もありまして、急展開を迎えるストーリーだけではない、ラブコメとして、ギャグとしても楽しめる一冊になっているのです!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!