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今回紹介いたしますのはこちら。

「食糧人類 -Starving Anonymous-」第2巻 原作・藏石ユウ先生 漫画・イナベカズ先生 

講談社さんのヤンマガKCより刊行です。



さて、奇妙な施設にとらえられ、そこで気味の悪い巨大生物の餌にされてしまいそうになった伊江とカズ。
ですがそこで出会ったナツネと山引とともに、その施設から脱出しようということになったのですが……?


怪物に追い込まれてしまった一同ですが、すんでのところで逃げ出すことができました。
とはいっても伊江達が知恵と勇気を絞って戦った結果というわけではなく、ある人物に巣食ってもらったからなのです。
その人物とは……
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ぼさぼさの髪の毛と髭の、奇妙な中年男性。
彼は小倉と名乗り、一同を歓迎。
何か得体のしれない肉をふるまうのです。

正直その肉を食べるのには勇気が必要ですが……とにかく何かを食べなければ力が出ません。
一同は意を決してその肉を食べるのですが、存外いい味をしておりました。
久しぶりに食べた食事で人心地ついた一同なのですが、そこで小倉が突然貸し二つだ!と叫んだのです。
僕の食料をわけてあげたし、命も助けてあげたじゃないかと言う彼ですが……そもそも彼はいったい何者なのでしょうか。
小倉が言うには、一同を助けてあげたのは彼のガールフレンド、「裕子さん」の指示だというのです。
が、その裕子さん、小倉が描いた落書きなのです。
もはや正気か狂気かギリギリのところにいる小倉、彼がこうなってしまったのにはもちろんわけがあるようで。
それは、彼がこの施設の陰に隠れ潜んで住み始めた……もう何年前になるかわからないほど前に起きた出来事がきっかけなのです!

彼は、この施設に取材にやってきたのだと言います。
高レベル放射性廃棄物最終処理場、「ゆりかご」。
その建設に関しては識者から様々な疑問が投げかけられたのですが、何の力が働いたのかあっさり完成。
ですがその成果妙な噂も絶えず、作業員が消えるだとか、奇妙な生き物がいるだとかと囁かれていたのです。
そんな噂の検証も兼ねて、作業員として潜り込んだ小倉。
施設に入ってみると、思いのほか手厚い歓迎を受けて驚愕しました。
食糧問題にあえぐこの国で、豪華にふるまわれる寿司や酒。
そして、従業員はみんな家族なんだという施設側の職員の言葉……
一部のものは涙するその手厚い歓迎ですが、待っていた仕事は驚くべきものでした。
伊江たちも見たあの、氷漬けになった遺体。
その遺体の解体を強いられたのです!!
施設を出るためには前払いした1年分の給与を返してもらうと言われてしまった小倉達作業員は、「違法ではない」という職員の言葉もあって働くしかありませんでした。
ですがどうしたことか、数日たつとあれほど嫌がっていたほとんどの職員が何も言わず仕事に打ち込むようになったではありませんか!
さらにしばらくたつと仕事はエスカレート。
とうとう
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カズたちが押し込められた、液体を飲まされて太らされ、生きたまま怪物に貪り食われるあの部屋の清掃をすることになったのです!!
かろうじて正気を保っていた小倉は、その現場を見てとうとう耐えきれなくなってしまったのです。
取材などどうでもいい、とにかく誰にも捕まらない所に……
そう考えて、屋根裏からは入れた建物の隙間のようなスペースに隠れ込み、住み始めたのでした。

小倉の事情は分かりました。
となると今度は、あの怪物の正体が気になるところです。
どうしてあんな怪物をわざわざ飼っているのか?
そんなことを言えたちが話し合おうとしていますと、小倉は笑い始めます。
逆だ、逆。
……そう言って、小倉はまたも衝撃的な事実を明かし始めたのでした!!

小倉が施設の隙間と隙間を縫って様々な場所を動き回ってみたもの。
それは伊江たちもさんざん見せられてきたものだったのですが、食料などを集めるために探し回っていたものの中の一つには、とんでもないという言葉では言い表せないものもあったのです。
それは、「玉座の間」と呼ばれている部屋で繰り広げられていました。
バスケットコート4つは入りそうな広大な、そして豪奢な装飾が施されたその部屋にやってきたのは……総理大臣・宇田川をはじめとした、政界のトップどころたち。
そして彼らは何と跪いてひれ伏し始めたのです。
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玉座の間に鎮座する、超巨大生物に……!!
……そう、人間が怪物を飼っている、というわけではないのです。
逆。
人間が……怪物に、飼われている……!!



というわけで、物語の構造が明かされ始めた本作。
人間が何らかの目的で怪物に餌を与えている、と言うのは間違いない事実だったのですが、その主導権が人類側ではなく、怪物のほうにあるらしい……
あまりに衝撃的なその事実、それほどこの世界は追い詰められているというのでしょうか?
そして怪物にそれほどの力があるということなのでしょうか……?
緊迫の連続となる本作、物語の謎が徐々に明かされ始め……本格的に動き出すことになるようです!!

さらにこの後、登場人物の中の一人にとんでもない過去が隠されていることが明らかになります!!
強大な力を持つ怪物に対して、あまりにも無力な4人でどうすればいいのか見当もつかなかった本作ではありますが、その事実が明らかになることによって一つの希望が示されることに。
ですが、逆にその人物の中に燃え滾る闇があまりにも深いことがわかり……!
これから先にどんな展開が待っているのか?
怪物の脅威、対抗する伊江たちの打つべき手。
気になるところは様々ありますが……どちらにしても待っているのは、飛び散る鮮血と恐怖、奈のは間違いないでしょう……!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!