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今回紹介いたしますのはこちら。

「ジンメン」第2巻 カトウタカヒロ先生 

小学館さんのサンデーうぇぶり少年サンデーコミックスより刊行です。


さて、突如動物が人面の怪物となり、人間たちを襲い始めた前巻。
動物と会話ができるという特技を持つ少年、マサトは逃げ惑いながらも、一番心を通わせた象のハナヨの心配もしていました。
ですがそんな中、ぶたえんちょーと名乗る人面の豚が突如テレビに映し出され、人面の動物・ジンメンが、不二山一帯を動物の独立国家にすると宣言!!
不二山の周囲は、いつの間にかできた深く広い溝によって取り囲まれてしまい、マサトたちはその中に閉じ込められてしまったのでした。


脱出を試みたマサト、ヒトミ、中田。
ですが助けが来たと思ったところで、とんでもない光景が目の前に広がり、再びこの動物公国の中での逃走劇が始まることとなってしまいました。
その際に、ジャーナリストの内海が同行することになったのですが、彼女の提案で一同は自衛隊の駐屯地を目指すことになりました。
自衛隊の駐屯地に行けば、溝を超えることのできるヘリがあるかもしれない。
それに自衛隊は災害のプロフェッショナルですから、この辺りの詳しい情報も手に入るはずです。
一同はあたりを警戒しながら、駐屯地を目指します。
ジンメンがいないことを確認し、用水路を歩く一同。
死角も多いですし、人面の姿を見つけたらすぐに隠れることができるから、と息をひそめながら会話する一同。
できるだけ慎重に進もうとするのですが、そこで内海が思いがけないものを見つけました。
すこし先にあるたんぼに……
普通に農作業をしている人の姿が見えたのです!
ジンメンに襲われていればのんきに農作業などできるはずがありません。
もしかしたらこの辺りは安全なのか?
警戒をしなければならないところですが、まだこの動物公国に足を踏み入れた間もない内海はまだジンメンの恐怖をあまり実感できていません。
そこで距離があるから大丈夫だろうと、不用意に彼らに呼び掛けてしまうのです。
この辺りは動物でないんですか、と!
すると彼らはゆっくりと振り返り……こちらに向かって、何かを呼びかけようとしているようです。
耳を澄ましてその声をきこうとする一同。
すると彼らは、こっちにきちゃだめだ、と声を張り上げるのですが……
同時に、
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その首筋から鮮血を拭きだしたではありませんか!!
目の前で起きた惨劇に、絶叫しそうになる内海。
ですがとっさに中田がその口をふさぎ、体を物陰に沈めました!
目には見えない、何らかの危険が迫っている……!
それを察知した中田は、今倒れた農作業者たちを、固唾をのんで観察。
すると、彼らの首元から何かが這い出てくるのが見て取れました。
それは……
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ネズミのジンメン!
どうやら彼らはネズミのジンメンに取り付かれていて、何かあったらすぐに殺されてしまうような状況になっていたようです。
にもかかわらず、マサトたちを救おうと声を上げてくれた……
その彼らの気持ちは非常にありがたいのですが、もう手遅れかもしれません。
ネズミの嗅覚は犬以上、聴覚は人の4倍以上と言われていまして。
あの内海の声でもう居場所はわかってしまっているでしょうそ、逃げても匂いを辿られてしまうでしょう。
ネズミ相手ならば戦えば勝ち目がないでもないかもしれませんが、もし仲間を呼んで大群で来られてしまえばもうどうしようもなくなってしまいます。
慌てふためく一同ですが、そこに男が一人通りがかりました。
ネズミのジンメンを発見し、逃げ惑う男。
彼にとっては災難だったのでしょうが、マサトたちにとっては幸運です。
彼には悪いが、割り切って今のうちに逃げよう、と逃走を再開するのです!
が。
なんと言うことでしょうか。
逃げ出そうとした瞬間、その男と鉢合わせしてしまったのです!!
男は……先頭を歩いていた中田を蹴飛ばし俺の代わりにネズミのエサになってくれと言い残して逃げ去ってしまいます!
用水路に突き落とされてしまった4人。
気が付けば、その用水路を見下ろす形で……ネズミのジンメンがずらりと並んでいるのです!
数匹ならばまだ勝ち目もあったでしょうが、その数はもはや10や20どころではありません。
まるでタイミングをうかがっているかのように、4人を見下ろすネズミのジンメンたち……
まさしく絶体絶命のこの状況。
マサトは、必死に頭脳を動かします。
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この状況、どうやって逃げる!?
考えろ、考えるんだ……っ!!



というわけで、ジンメンの国、動物公国の中で繰り広げられる逃走劇が続く今巻。
ネズミのジンメンに襲われ、絶体絶命となってしまった一同ではありますが、動物に関してはスペシャリストともいえる中田とマサトがいれば、まだ何とかすることはできるかもしれません。
窮地の中で活路は見いだせるのか?
緊迫した展開の中、救いの手は差し伸べられるのか、それとも……!!

そしてこの後、動物公国の恐ろしい姿が次々にあらわになってくることとなります。
ジンメンの脅威に覆われたこの不二山一帯で、人間はどのような目に会わされてしまっているのか!?
ただ惨殺され、貪り食われてしまうだけではない、恐ろしくも無残なその有様はもう目を覆わんばかり。
知性ある動物と言うジンメンの恐ろしさ、そこにおける人間の扱い……ただのモンスターパニックではない、まさしく本作ならではの惨たらしい物語が展開するのです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!