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今回紹介いたしますのはこちら。

「目玉焼きの黄身いつつぶす?」第8巻 おおひなたごう先生 

エンターブレインさんのビームコミックスより刊行です。


さて、人気俳優・黒野のどくフラワーアクター希望と、ソフトクリームの食べ方にまつわるいざこざのせいでまたまた離れ離れになってしまいつつある二郎とみふゆ。
ささくれ立ちまくった二朗の心の隙間を埋めるかのように、みふゆが貶した二郎のソフトクリームの食べから「聖火」をべた褒めする黒野のマネージャー、メタに、二郎は惹かれてしまい……そして……!



黒野・メタ問題がひとまずひと段落付いたある日の事。
二郎は、靖雄に最近の状況を尋ねがてら食事をしておりました。
俳優を志して新たな道を歩み出した靖雄、その道なりはやはり平坦なものではないようですが、それでも充実した日々を送っているようです。
心なしか一回りたくましくなったように見える靖雄の話に一喜一憂しておりますと、注文した料理が運ばれてきました。
二郎の前に置かれたのは……噂の、クリームシチュー定食!
見た目の第一印象は、思ったよりも鶏肉の量が多いし、食べごたえがありそうだ、と言う感じ。
早速一口口に入れ、続けてご飯を歩織り込みますと……なかなかどうしていい味わい。
あれだけ世間ではクリームシチューとご飯は会うかとか議論されているが、全く問題ないな!と二郎はうなづくのです。
靖雄もこれにすればよかったのに二郎は進めるのですが、靖雄はきっぱりとこう言いました。
いやあ、自分はクリームシチューはおかずにならないですね。
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目玉をひんむいて驚く二郎に、靖雄は続けます。
クリームシチューは自分にとっては主食だから、ご飯と合わせたら主食×主食になってしまう、と。
とはいえこれは定食と言うこともあり、おかずになるよう濃い目の味付けがされています。
それでもだめなのかとさらに尋ねますと、シチューは牛乳が入っていて駄目、牛乳とご飯の組み合わせが駄目だ、パンならいいけど、と靖雄は持論を展開。
カルビ定食で十分ですねと締めくくった彼に、二郎派だったらこれならどうだ、とラーメンライスの例えを出してみました。
もちろんそれも主食×主食、靖雄にとってはNGです。
二郎がラーメンライスと切っても切り離せない(?)某有名漫画を例えに出してその良さを説明しようとしても、靖雄の木町は変わらず!
ラーメンライス肯定派はたいていその話を持ち出してくるが、40年以上も前の漫画と今じゃ時代が違い過ぎるというのです。
ちなみに靖雄は、おでんに白メシ、お好み焼きに白メシ、刺身に白メシのいずれもナシだそうです。
それらは自分がすべてOKなだけに、二郎はただただ驚くばかりだったのですが……
彼と別れ、一人になったとき、こんな結論に達したのです。
靖雄は白メシ愛が足りない。
俺はきっと、誰よりもそれが深いんだ、と。

いつものように、その件を近藤さんに明かす二郎。
最初はシチューが白飯に会わないと言われた無念さを前面に押し出し、そして徐々に白メシ愛の話に移行。
靖雄は愛が足りないが、自分の白メシ愛の強さは誇らしさを感じる、俺こそ日本人の鑑だ、とついには自己賛美まで始めるのです。
……が、そこでいつものように近藤さんはそれを否定しました。
クリームシチューと白飯と言う組み合わせがだめでも、白メシ愛が人一番強い奴をオレは知っている。
もしかしたらそれは、二郎以上かもしれない、と!
いつにない劇画調の顔で、そんなやつにお礼状の白メシ愛があるとは思えない、と絶叫する二郎!!
そこで近藤さん、週末に合わせてやるから内に来い、みふゆさんもつれて来い、と二郎を自宅に招待したのでした。

みふゆがクリームシチューに白飯はなくていいけど白メシ愛はある、と発言したことに対して、そんなものは矛盾だとつっこんだりしているうちにたどり着いた近藤さん宅。
そこで、早速近藤さんはその白メシ愛の持ち主を紹介してくれました。
その人物とは、なんとびっくり近藤さんの息子、昌三君だったのです!!
近藤さんは昌三君に尋ねます。
白メシが好きだよな?でも栗^無シチューはおかずにはならないよな?
その問いに、昌三君は元気よく答えます!
白いごはんだいすき!クリームシチウはスウプ!みそ汁といっしょ!おかずにならない!
そうきっぱりと言い切る昌三君、食事に白飯必須な彼のために近藤さん宅ではシチューの日はもう一品おかずを作るのだそうです。
まあ確かに愛は強そうだけど、それでも……とすっきりしない二郎に、近藤さんはようやく昌三君の底しれぬ愛を見せつけてくれました。
近藤さんの奥さんが白飯と一緒に持ってきたのは……オムライス。
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ああ、なんということでしょうか。
昌三君はオムライスを一口スプーンで口に放り込んだ後、そのまま白飯を口の中に押し込んだではありませんか!!
目玉を飛び出さんばかりの勢いで驚く二郎……!!
ですがなんといいますか、ここまではギリギリ、ギリギリ理解できないではありません。
チキンライス+ケチャップと言うオムライス、味が濃いわけですから、白飯を足したくなる……と言う人もいないではないでしょう。
ですが、その後に出てきたものは……二郎でなくとも絶叫せんばかりのインパクトを持っていたのです!!
白メシに並んで出されたそれは……
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ねぎとろ、軍艦……!?
昌三君はネギトロ軍艦を一気に口の中にいれてもきゅもきゅと咀嚼し……そして、ズバズバと白飯を掻きこみ始めたではありませんか!!!!
二郎派も言う、驚愕のあまり歯並びがおかしくなるほどの勢いで叫ぶほかありませんでした……
ウソだぁーっ!!と……!!



というわけで、少し前に各所で話題になった、クリームシチュー×白飯という問題に一石を投じるエピソードを収録した今巻。
シチューでご飯を食べられるか、と言う意見が真っ二つに分かれるこの問題に、この1話で一つの答えが……出るということは、特にありません!
特にありませんが、何がご飯のおかずになって、何が鳴らないかと言う考え方の指針の一つは提示されるのです!
そしてもはや恒例となりつつある、巻のラストで二郎にやってくる運命を別つ事件。
今巻は今までのようなネガティブなそれではないのですが、運命の左右具合で比べれば今までで最大のものとなっているかも……?
その選択とは果たして!?

そしてその他のエピソードも見どころ十分です。
黒野・メタ問題でかなりヘビーな展開が繰り広げられ、二郎はここでもすごい目に会っちゃいます。
そのとんでもない展開ももちろんのこと、食に関しての話題も忘れてはいけません。
今回シチュー関係以外で語られるのは、「コーヒーに砂糖入れる?」「最後の一個いつ食べる?」「枝豆の薄皮食べる?」などなど、様々な食べ方に切り込んでおります!
今巻も果てしなくどうでもいいような、重要極まりないような食べ方論争が巻き起こるのです!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!