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今回紹介いたしますのはこちら。

「鉄牌のジャン!」第4巻 西条真二先生 

竹書房さんの近代麻雀コミックスより刊行です。


さて、なんでもありの天才雀士、ジャンが料理に麻雀にと奮闘していく本作。
様々な手段を用いて勝ち星を積み上げてきたジャンでしたが、ある日突然サンバンチのオーナー・金悟が賞金一億円の麻雀トーナメントを開催すると言いだしたモノですからさあ大変!
ジャンだけでなく、様々な人物が一億円を目指し、トーナメントに参加するのです!!


小手調べともいえる1回戦を無事通過した、ジャンをはじめとする雀士たち。
ですが2回戦はいきなりとんでもない戦いとなりました。
ジャンが眠りから覚めると、何か見慣れない、南の島の洞窟の中にいることに気が付きます。
そしてその恰好もまた異様でした。
いつの間にか海パン一丁の姿にされていて、左手首には時計型の携帯端末、そして
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お腹には大きなウーピンが描かれていたのですから!
戸惑っていますと、その携帯端末に金悟が映し出されます。
金悟によれば、この二回戦で行われるのは、生き残り122名による「人間麻雀」なのだとか。
全員が首をかしげていたところ、金悟によってルールの説明が行われます。
金悟の腹に描かれているのは「東」。
東1局で東家、金悟の東を銅鑼表示牌として、ドラは「南」。
この状況で、島に用意されている4つの脱出ゲートを通ってもらう、とのこと。
ですがその各ゲートは、それぞれ12000、18000、24000、48000と表示されておりまして、その点数の役を作らなければ通ることはできないのです。
つまり、その規定数の点数になるように、14枚の牌……14人の人間を集めなくてはならないということ。
しかもリーチは点数計算に含めないとのことで、なかなか難しい問題になっています。
あとの細かなルールは、この島にいる13人の黒服に尋ねてくれとのこと……
ですがこの2回戦、ルール云々よりも、「全員が敵」という考えのジャンには協力が必須だということのほうが面倒でして……
顔をしかめながら洞窟を出ていきますと、そこでいきなりジャンは小此木に出会います。
知り合いに会えたうれしさを前面に押し出して駆け寄ってくる小此木でしたが、ジャンは露骨に嫌な表情を浮かべました。
なぜなら小此木の牌は、表示牌である「東」!
正直言って、使いづらい牌だったのですから!!

蛇美や銀子をまず探さないかと提案してくる小此木でしたが、ジャンはそうしたいなら勝手にしろと連れない返事。
なにせジャンにとっては仲間意識などより、それが使える牌なのかどうかと言うことのほうが大事なのです。
銀子や蛇美を見つけたとしても、使えない牌ならば意味がない。
そう考え、小此木には同じ「東」が見つかるように祈れ、と命じて歩くのでした。
ちなみにその「東」は、サンバンチきってのヒール、望月だったりします。
望月は18000のゲートのそばで状況を整理していました。
……このままではこいつを仲間に引き入れるほかありません。
正直いってお世話にはなりたくないものですが……

そんなジャン達の他の勢力も着々と動きを見せています。
大谷は、同じ全雀連の雀士や、娘である雪乃たちと合流。
イーピン、北、キューピンと言った使いづらい牌ばかり……と思われていたのですが、そこにキューソウや發なんかが集まりまして……大分道筋が見えてきたようです!
ちなみにその様子を蛇美が遠巻きに見ておりました。
彼女は白だったのですが……さすがに全雀連の裏切者である彼女が大谷にすり寄るわけにもいかず、まいったなと舌を出すのでした……
スグルと加納さんは、二人して「南」と、比較的好配牌でスタート。
すぐに銀子と遭遇しましたが、銀子のイーソウという牌を見て使いづらいし、敵であるサンバンチだから要らないとあっさり断ります。
そしてその後は、加納さんのテクによって手に入った食糧を餌にして順調に手牌を収集。
萬子の染め手に向かって順調にいくのです!

ジャンのほうへと視点を戻しますと、一人の仲間を加えることに成功していました。
枕崎龍子。
有力株の一人で、1回戦の時にジャンがなかなかの腕を持っていることを見抜いていたようで、この2回戦でさっそく声をかけてきたのです。
牌はウーピン、しかも48000のゲートがあるのを見たとのことで、十分にメリット有りと行動を共にしたのでした。
その後、ジャンはこの島に生息する野生の猪を捕え、その肉をヤシの葉で包み、泥で固めて炭火で蒸し焼きにした「黒鉄流 猪の蒸焼き 乞食鶏風」を製作。
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血と海水、野生の山椒と生姜で味付けした、この南国の離島で腹ごしらえをするには十分すぎるもので腹を満たします。
するとその匂いに惹かれ、銀子と蛇美がたどり着いて合流。
さらにサンバンチの李さんに望月、柏原と集まってきて、手牌のほうもだんだんとそれなりになってきたのです。
イーソウ、リャンピン、ウーピン二枚、東二枚に白二枚。
この配牌で何を狙うか、とりあえず満貫か?と蛇美に尋ねられたジャンですが、ジャンはここでなんと約満を狙う、と豪語!
大谷の狙いを蛇美から聞いたジャンは、自分たちが約満で上がってしまえばあいつらはどうにもならなくなる、と彼らしい企みを巡らせたのです!
この手札で約満となると……四暗刻しかありません!
ジャンは、四暗刻を狙って動き始めるのです!!

……が。
そんなもろもろの様子を、一人高台に登ってみているものがおりました。
島の構造を知るのが先決なのに、それをまず行っているのが自分一人とは、賞金はいただきかな。
そう言って笑うその男は……
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雀荘「百蘭王」のオーナー、王飛虎!!
ただものではないオーラを漂わせるこの男……果たしてその実力は!?



というわけで、バトルトーナメントが開幕した今巻。
麻雀の勝負よりも、「鉄鍋」のセルフパロディや料理の描写のほうに力が入っている気がする本作ですが、今巻に至っては何とびっくり、まともに麻雀を撃っている描写がほとんどありません(4ページくらい)!
ほとんどがこのトーナメントの2回戦の様子に咲かれているのです!
とはいえこの2回戦も、麻雀と言えば麻雀ではあります。
普通の麻雀よりも、文字通り牌に意思があるわけですから……そのあたりが難しい所でして……
コミュニケーション能力の欠片もないジャンがどう立ち回るのか……注目です!!
そんな中で気になるのが、新たなキャラクターの活躍。
自分のためと言う考えはあるものの、今までにあまりいないジャンに協力的なキャラクターである龍子。
彼女の登場により、小此木がちょっぴり焼きもちを焼いてみたりと、西條先生作品にはあまり縁のない色恋要素も見え隠れするようなしないような。
そしてそれ以上に注目したいのは、「鉄鍋」の事実上のラスボスだったと言っていいであろう黄をモチーフにしたであろう王の登場でしょう!!
くこの男が今後の台風の目になることは間違いないはず。
大谷親子にスグルと加納タッグ、蛇美、銀子、龍子となかなかの曲者ぞろいの中で存在感を放つ王……
3回戦以降で繰り広げられる麻雀勝負、今まで以上に困難なものになりそうですね!!
……まあ、三回戦もまた変わった戦いになるようですけど!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!