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今回紹介いたしますのはこちら。

「プリマックス」第7巻 原作・柴田ヨクサル先生 作画・蒼木雅彦先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックスより刊行です。



さて、彗星のように現れた「お嬢」、そのリーダーでありワルコの姉である空子に完敗を喫したプリマックス。
完全なる敗北を味わわされたプリマックス……はともかくとして、ワルコの心中は相当なもので……?


改めてお嬢とカワイイ対決をして、打ち破る!
そのためには今まで以上にカワイイ曲を用意しなければなりません。
いろいろありまして、意外な方向から曲が完成しましたが、これから踊りの振り付けなどを考えてさらに詰めていかなければいけないところ。
そこで三人はさっそく公園の中の森で振付を探りながら踊っていくのです。
カワイイ曲があればカワイイ振付が自動的にできていく……ものなのでしょうか。
三人はどんどんと振り付けを作っていき、それなりに手ごたえも感じていくのですが、そこでどこからともなく「全然だめだね」と言うダメ出しが聞こえてくるのです。
聞こえてくる方向を見てみれば、そこにいたのは……猫?
よくわからないままの三人ですが、猫のほうからする声はどんどん続けてきました。
お前らまさかアイドルかい?いや、へぼすぎる。
あれか、自称アイドルってやつかい?
そんなことを言っている間に、森の奥からどんどん猫が現れてくるではありませんか!!
そしてそのうち、猫が小山のように盛り上がった謎の塊が現れ……そこから
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一人の小柄なおばさんが現れたのです!!
そのおばさんは、こんなことを言います。
アイドルってなそうじゃないんだよ。
私がアイドルと教えてやる、ついて来い。

そのおばさんの謎の自信満々なセリフと、絡みつく猫に押し切られる形で、三人は結局おばさんに導かれるままになってしまいました。
たどり着いた先は、場末のスナック……にしか見えない、おばさん曰く「猫カフェ」です。
しかもおばさん、猫カフェ代と称した一人あたま2000円の入場料を要求してきやがります。
断るとまた猫をけしかけられそうな雰囲気になりましたので、しぶしぶもんたが全員分払うことに。
1万円差し出し、お釣りを要求するのですが……おばさんは、どうもお釣りを渡したくないご様子!
たっぷり返してやる、特別に私が歌ってやる、と謎の交換条件を出してきたのでした。
三人が何を言っても、おばさんは一切無視。
カラオケが壊れているから、とおもむろに懐かしのビデオテープを取り出し、何か録画を再生し始めました。
そこには、古いアイドルの映像が映し出されました。
いきなり映し出されたその映像に視線を奪われる3人ですが……その直後に起こった出来事は、さらに三人の度肝を抜くのです!!
三人のすぐ横に立っていた、小柄な……かわいいとは対極にあるような、小汚いおばさん。
そのおばさんが、
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映像の中の、可憐でカワイイアイドルへと変わっていたのです!!
おばさんの姿だけではありません。
まるで場末のスナックのようだった荒れ果てたスナックも、アイドルのカワイイをより引き立てるきらびやかなステージのように……一瞬、そこは別世界となったのです!
呆然としたまま、三人がカワイイ空間に呑み込まれているうちに……一曲、歌い終わりました。
するとどうでしょう。
そこにあったのは、荒れ果てた猫屋敷と、小汚いおばさんだったのです……

彼女はいったい何者なのでしょうか。
彼女は言います。
自分は、スターだ。
80年代アイドルだ、と。
現在48歳だったという彼女は、徐々にその正体を明かしてくれます。
彼女の人生は、「巨乳に翻弄された」のだとのこと。
……80年代当時アイドルだった彼女は、顔も歌唱力も最高だったと言います。
ですが当時のアイドルに最も要らないもの……「巨乳」の持ち主だったため、それらが正当に評価されることはなく、とにかく「巨乳」と言うイメージばかりを持たれてしまったのです。
かわいくて、めちゃくちゃ歌もうまいのに……愛称は「ボイン子」……
それだけでも彼女は当時からげんなりしていたわけですが、さらにそれが加速していったのが昔よく放送されていた「水泳大会」での出来事でした。
放送ではカットされたものの、「ポロリ」をしてしまった彼女。
ですがその封印されたはずの映像がどこかから流出し、週刊誌に写真が載ってしまったのです。
そこで改めてついてしまったあだ名が、「ポロリ」の上をいく「ボロリ」……
それ以来本当に「巨乳」だけのアイドルになってしまった彼女。
その昔スケバンだったという彼女は、その画像を掲載した週刊誌に「お礼参り」に行きました!!
ですが勢いに任せて乗り込んでいったのは……なぜか怖い人たちの事務所だったのです!!
間違えて怖い人たちの事務所に乗り込んでいってしまった彼女。
それで誤って帰ってくればまだよかったのかもしれませんが……その組員の一人が、彼女がアイドルだと気が付き……彼女の逆鱗である「ボロリ」と呼んでしまったのが運の尽きでした。
ぶち切れた彼女は
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そこにいた輩全員をぶちのめし、病院送りにしてしまい……
そして、まっとうに生きられなくなってしまった彼女は、現在の姿になってしまったのでしたとさ……



というわけで、新たなカワイイの猛者と出会った三人。
今までのキャラクターの中でも上位に食い込むほどの曲者である彼女、奈保子が登場した今巻。
現在の姿やその性格はとても褒められたものではありませんが、その実に秘めた80年代スターのかわいい力は本物も本物!
彼女はこのプリマックスとの出会いをきっかけに、本作にぐいぐい食い込んでくるのです!
なにせ彼女、その性格は傍若無人、身体能力もとある理由で抜群、何よりとんでもない執念とカワイイ力を併せ持っているわけで。
その見習うべきでない性格と、彼女に引っ掻き回されてしまうというデメリットは差し引いておいても、一同を成長に導いていくものがあることは間違いないでしょう!!
キャラクターの設定自体がギャグともいえる彼女ですが……彼女の持つ力は、お嬢打倒のための一手となるかもしれません。
毒を食らわば皿まで!
一同と奈保子の出会いが導く化学反応に期待です!!

今巻ではほかにもツバメの妹、ツグミの活躍や、ワルコのちょっとした(?)見せ場も用意されています。
プリマックスとはまた違った魅力を持つ彼女たちの活躍も必見ですよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!