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今回紹介いたしますのはこちら。

「妖怪番長」第5巻 柴田ヨクサル先生 

講談社さんのイブニングKCより刊行です。



さて、ハネツグとトビの激戦が繰り広げられた前巻。
お互いの死力を尽くし、天狗力を爆発させるT-MAXも駆使して行われたその激戦は、引き分けに終わりました。
が、白の天狗の本拠地の場所を知られた今、ハネツグを生きて返すわけにはいきません。
白の天狗軍を現状率いているサキは、ハネツグにとどめを刺さんと向かって言ったのでした!


森の中で、ハネツグとサキは対峙していました。
面と向かって立っているだけで、サキの実力を感じ取るハネツグ、自分やトビと同じ「混血」であることに気が付きます。
そしてハネツグは、兜巾を光らせ始めます。
敵を貫く光線でも出るのか、それとも仲間を呼んでいるのか?
そうたずねて来るサキに、ハネツグが違うと答えますと……
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ハネツグの姿が、何体かに増えたではありませんか!!
幻覚です。
が、サキはそれをものともせず、それが何だと扇を振るい、全ハネツグに一気に攻撃を仕掛けます!!
その攻撃は、どのハネツグにもあたることなく、通り抜けていってしまいます。
この幻覚は……ハネツグが逃げるための時間稼ぎでしかなかったというわけです!!
すぐそれに気がついたサキは、羽を広げて飛行。
瞬く間に、足を引きずりながら逃げていたハネツグへと追いついてしまいました!!
とっさに後ろに飛んで距離をとるハネツグですが、サキの奥義から放たれる無数の光弾から逃れることはできません。
ハネツグの体に数多くの穴をあけたその光弾、そのうちの一発がハネツグの左目を撃ち抜き……さすがのハネツグも悶絶してしまうのです!!
片目を奪われたハネツグは怒りに燃え、再び兜巾を光らせました。
同じように数の増えるハネツグでしたが、今度はそれらが一斉に襲い掛かってきたではありませんか!
しかもそのハネツグによる攻撃は、すべてしっかりと重みを持っておりまして……幻ではない、確かな実物なのです!!
そこでサキは、増えたハネツグのうちの一体を扇で切り付けて撃退!
地面に倒れたハネツグは……すぐにその姿を、雑魚の黒天狗のそれへと変えたのです!!
実態を持ったハネツグの幻覚は、雑魚天狗をハネツグの姿に見せかけていた、と言うのが正体の様子。
サキはそれを知ると、やはり仲間を呼んでいた、とそれでも慌てる様子なく……流れるような動きで、
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雑魚天狗たちをやすやすと一掃してしまったのでした!!

そのころハネツグは、呼び出していた雑魚天狗の一匹に抱きかかえられ、空高くを飛んで逃げていました。
戦っている隙に、逃げられてしまったかもしれない、
サキはそう考え、これからどうするかを考えました。
このまま戻るべきなのか。
ハネツグを追いかけたら、予想を超えた反撃を受けるかもしれない。
戻って作戦を立てるべきだろうか……
そんな冷静な考えとは裏腹に、サキの体には抑えきれない感情があふれ出ていました。
紙を止めていたひもはひとりでにちぎれていき、体からはすさまじい妖気が噴出。
サキは、これは何、戻る気なんてないでしょう、と自分に問いかけ……空に舞い上がります。
もし、見つけちゃったら仕方ないよ。
そんな言い訳めいた言葉を言い終わるか言い終わらないかと言うタイミングで、サキははるか遠くに消えつつあるハネツグを発見します。
そして、またもあっという間に追いついた……と言う直前にほんのわずかに冷静になり、眼下に広がる森に隠れます。
このまま後をつけていって、こっちが先に黒の天狗の本拠地を突き止める!
サキはそう考え、まんまと黒の天狗の本拠地を突き止めたのです!

……が。
ここでいったん帰って、総力を持って本拠地に向かうのならば本当に冷静になった、と言えるかもしれません。
ですがサキは、黒の天狗も以前の戦いで兵力不足になっていることを悟り……一人で本拠地の中へと入っていってしまうのです!!
一匹だけいた見張りを蹴散らし、このまま全滅させてしまおうか、などと蛮勇にもほどがある計画を実行しようとするサキ……
ですがさすがにそれは甘すぎました!!
先ほど確実に命を奪ったはずの見張りが、上半身だけになっているというのにとびかかってきたのです!!
生き返った!?
驚きながらもその実は理を再び殺す先ですが……その目の前に、驚くべき敵が現れたのです!!
まるで釣り鐘に足が生えたかのような妖怪。
その妖怪が引き連れている……
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数え切れないほどの骸骨兵!!
圧倒的な兵隊の数を前に、たった一人のサキ……
あまりにも無謀なこの特攻、やはりそのしっぺ返しを受けてしまうのでしょうか!?



というわけで、天狗対決が盛り上がっていく今巻。
トビやハネツグの実力も相当なものでしたが、サキもまたその実力は抜群だった様子。
ですが黒の天狗軍には、ハネツグ以外にも今回登場したような強力な妖怪が控えているようで、そう簡単に逆転とはいきません。
巫子たち三人娘、カッパイ、そして戦っていく中で増えていく仲間妖怪たちを駆使したとしても、黒の天狗の牙城を崩すのは難しいのです!!
それでも、気持ちの上では一歩も引かない巫子たち、その勢いに任せて一気の侵攻!
2大勢力の戦いはスピーディーに、そしてダイナミックに繰り広げられていきます!!

さらにもはや本作と言うよりも、ヨクサル先生作品にはつきものともいえる読者サービスも満載です。
本編でカッパイの入浴シーンがあるのですが、今回の描き下ろしおまけ漫画では10Pにわたり、カッパイと三人娘の温泉でのあれこれが!!
……ノリも絵柄もヨクサル先生節が強すぎるこのサービスシーンに、どれだけの方がヨクサル戦s寧の想定している(?)喜び方をするのかは、わかりませんが……!!
そして何よりもすごいのが、もう一つの巻末おまけででしょう!
あの「3x3EYES」の高田先生とのコラボレーション漫画が4P収録されておりまして、カッパイとパイがまさかのバトルを繰り広げるのです!!
しかも完全なる合作で、パイと八雲は高田先生の筆で、カッパイと三人娘はヨクサル先生の筆によって描かれるという、ファン感涙の作品になっております!!
どんな内容なのかは……ぜひともその目でご確認していただきたいです!!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!