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今回紹介いたしますのはこちら。

「ハイスコアガール」第6巻 押切蓮介先生 

スクウェア・エニックスさんのビッグガンガンコミックスSUPERより刊行です。

さて、あの騒動によって連載が中断され、当時最新刊だった第5巻の発売から2年半以上が経ってしまった本作。
その騒動も一応の決着を見まして、満を持しての最新刊発行、そして連載再開となりました。
で、お話はと言いますと、大野への締め付けが強くなり、疎遠な状況が続く中で、ハルオに思いを寄せる日高が勝負を挑んでくるという急展開の真っただ中。
気持ちが揺れ動く中ハルオは、日高と自分が付きあうかどうかを賭ける勝負を受けることにしたのでしたが……?


二人の戦いは、三本のゲームで2勝以上したものが勝利というルールです。
まず一本目は、真サムライスピリッツ。
以前なら言うまでもなくハルオの圧勝であったでしょうが、今の日高の実力は以前とは比べ物になりません。
ニコタマちゃんに誘われ、夜のゲームセンターで実力を磨きあう会に参加し続け、めきめきとその実力をつけた彼女は、もはやハルオと互角以上の力を持っているといってもいいでしょう。
そんな日高が使用するキャラは……押しも押されぬ真サムの最強キャラ、右京!!
そしてハルオが使うのは、一部キャラに対しては極悪な強さを持つ右京の対抗馬、幻庵です!
この勝負に合わせて調整を繰り返した二人の仕上がり具合は、完璧と言っていいレベルになっています。
右京の強さを支える立ち中斬りに反応し、大斬りを刺し返すという完璧な反応!!
ですが日高もキメどころではキッチリと残像踏み込み斬りを叩き込み、きっちりとお返しをするのです!!
ハルオもすかさず幻庵脱皮を使って連続技から抜け出そうとするのですが、日高はそれも完全に読み切り、対応して潰しました!
そのまま流れに乗り、日高が1ラウンド選手。
それもそのはず、ニコタマちゃんとともに、日高は幻庵戦の対策をばっちり積んできています。
幻庵の技のモーション、そして何をどのタイミングでどうすれば相手が嫌がるのか、すべて頭に叩き込んでいるのですから!!
2ラウンド目もその勢いは衰えません。
低空ツバメでガードを崩し、スライディングには下段避けを合わせて回避。
肉転突きもツバメで迎撃し、もはやハルオに打つ手なし!
日高は、かなわぬ恋の相手に、その恋がかなわぬことを知りながら一輪の花をささげるために病身を押して闘い続けている、とい宇背景を持つ右京にシンパシーを感じていたようです。
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キャラとの一体感、恋する力の強さ……それを最大限に駆使し、見事1ゲーム目を取って見せたのでした!!

2戦目のゲームは、ザ・キングオブファイターズ95。
後期SNKの代表作であり、現在もなお続いている人気シリーズの第2作目に当たるこの作品、キャラ人気だけでない、しっかりとした面白さを持っています。
このゲームでの日高の持ちキャラは、デフォルトの女性格闘家チーム。
94ではキング以外はちょっと……と言う弱めのチームでしたが、95になって舞やユリにも無敵対空が追加されてバランスがよくなってチーム……なのですが、ふたを開けてみるとなんと日高の使用キャラは、
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「ルガール・紫舟・ハイデルン」と言う、隠しキャラ二人+ド安定の戦法+圧倒的破壊力を持つ要塞キャラと言う勝ちに固執するチームでした!!
今現在でもルガールとハイデルンは強キャラですし、紫舟は今でこそそれほどではないものの、発売当時のそのころは高性能の飛び道具や中段の突進技と言ったわかりやすい技に加え、隠しキャラと言う圧もあって恐れられており、この三人構成の恐ろしさはそうとうなものと言えましょう!
対するハルオは、極限流チーム。
極限流チームは、バランスのいいリョウとロバート、壮絶な爆発力を持つタクマという……発売当時も今も、それほどパッとした印象のないチームです。
ハルオの先鋒はタクマ、日高はルガール。
土壇場で強キャラにキャラ替えをしたことで、キャラ対策が練りきれない状況を押し付けることのできた日高が有利かに見えたこの戦い、開幕直後はやはりルガールが押せ押せです。
あれば便利な飛び道具の烈風拳、反撃を受けずスピードの速い突進技のゴッドプレス、飛び道具を跳ね返すだけでなく、様々な場面で大活躍のダークバリヤー、当たれば半分近い体力を持っていく上無敵時間まであるジェノサイドカッター。
さらに、通常技も、本作屈指の高性能けん制技である遠距離小K、高性能な中断になるジャンプふっとばしや小K……
その圧倒的性能は、ハルオのタクマ、そしてロバートを撃破し、大将のリョウをも追い詰めていく……かと思いきや、そうは行きませんでした。
土壇場でリョウは不用意な烈風拳に飛び込みを通し、連続技を叩き込んでKOしたのです!!
とはいえ残り二人も強キャラ……リョウ一人では、と会場の誰もが思ったのですが……
やはり、時間の限られた中で三キャラを使いこむのは無理があったようです。
ある程度は使えるようにはなっているものの、圧倒的性能を持つルーガール以外の、ある種職人的技能が求められる紫舟とハイデルンはそううまく使いこなせません。
まさかの逆3タテを見せ、2ゲーム目はハルオがとったのです!!

やはり二人の戦いは、このゲームで決着する運命だったのでしょう。
ゲームは、ヴァンパイアハンター。
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ハルオの使用キャラは撥ね刃がらみの強力なラッシュと、とんでもない超絶性能を持つEX技・鬼首捻りが頼もしすぎるビシャモン。
そして日高の使用キャラは、トリッキーな動きと飛び道具、そして高性能GC技を持ち、当たれば必殺と言っていいEX技・コンフュージョナーを持つフォボスです。
どちらも型にはまれば一気に相手に何もさせず殺すことのできるキャラとなっていますが……果たして勝利をつかむのはどちらなのでしょうか。
二人の戦いを見守っていたニコタマちゃんですが、どちらも真剣すぎるほど真剣にゲームに向き合っていた二人の間にある、ある違いを見出していて……
その違いが戦いにどのような結末をもたらすのか!?
激戦の決着は間もなくです!!


というわけで、二人の運命の戦いが決着する今巻。
2年半ぶりに拝めるその激戦、最後の一瞬まで手に汗握る内容となっていますよ!!
当時このゲームに熱を入れていた人々ならばその汗握り具合もひとしおというもの。
リアルタイムでやっていなかった人でもその熱さな十二分に伝わることでしょう!!

そしてその戦いを終えた後、再び物語の主役はハルオと大野の関係へと移っていきます。
大野の姉も本格的に物語に絡み始め、二人の関係をガンガンと引っ掻き回していくことに。
この姉の行動が、二人の関係にどのような動きをもたらしていくのか?
本作の始まりともいえる二人の関係にも要注目です!!

さらに本作のもうひとつの売りともいえる、90年代の名作ゲームたちの登場も見逃せないところ。
ソウルエッジやファイティングバイパーズと言った格闘ゲームの他、首領蜂といったシューティングの一つの流れを作るきっかけの一つとなったゲーム、そして本作にはあまり縁のなさそうだったときめきメモリアルや、RPGツクールと言った変化球的な作品が物語の鍵となったりも……!!
これから先どんな作品が出るのかも楽しみになってきますよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!



……ところで今巻に登場したゲームの権利は大丈夫なんですよね……?
コナミさんとか結構厳しそうですけど……スクエニさん、くれぐれもよろしくお願いします!!