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今回紹介いたしますのはこちら。

「GETTER ROBOT DEVOLUTION(ゲッターロボデヴォリューション) -宇宙最後の3分間-」第1巻 原作・永井豪先生・石川賢先生 漫画・清水栄一先生・下口智裕先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスエクストラより刊行です。

さて、石川先生がお亡くなりになられた後もどんどんと広がっていくゲッターワールド。
そんなゲッターワールドの新たな作品となる本作は、「鉄のラインバレル」「ULTRAMAN」でロボットもの・ヒーローもので名をはせる清水栄一・下口智裕両先生が執筆!!
ゲッターと清水・下口両先生タッグ、どちらにも共通しているのが容赦ないストーリー展開!
果たして本作でその二者がどう融合していくのでしょうか!?


とある高校の教室で、三人組の男子がうわさ話をしていました。
第一発見者は息子って書いてある、あいつが殺された親の死体を見つけたんだ。
その噂の対象となっている男……流竜馬は、自分の席で窓の外を見ながらパンをかじっています。
だからあいつ暗いのか、トラウマってやつでしゃべれなくなってしまったんじゃないか……
そんな心ない言葉を聞いて黙っていられなくなったのは、生徒会副会長を務めている早乙女ミチル。
よく人の悲しい話で盛り上がるなんて最悪、と吐き捨てる彼女に対しても、三人組はまだ噂話をやめません。
確かみちるも両親を事故で亡くしている、親のいない者同士傷のなめあいをしてるんだ。
続く悪口を意にも介さず、満は竜馬のもとへ向かいます。
先生が進路希望出してないの流君だけだから今日中に提出しなさいって、と伝えると、竜馬は視線すら合わせず今日は忙しいと答え……
ミチルはさらに、毎日コンビニのパンばっかりじゃ栄養が偏る、などおせっかいな発言を続け……
それを見ていた三人組のリーダー格、松村は面白くなさそうです。
仲間に、竜馬の内を知っているかと尋ねて……

放課後、進路希望がかけたらちゃんと提出するんだよ、と言い残してミチルが去っていくと、教室に残っているのは竜馬だけとなりました。
確定してない先のことなんて決めて何の意味があるんだ、と毒づく竜馬ですが、ちらりとその脳裏に満の顔が浮かび……
舌打ちしながらも、進路調査の紙にペンを走らせるのでした。

日の暮れたころ、満は松村たちに呼び出されて公園に来ていました。
松村は、ミチルは竜馬のことが好きなのか、とズバリ尋ねてきます。
それだけでは飽き足らず、もし好きだと思っているのならそれは親がいない同士……と言いかけたところで、ミチルは松村の頬にビンタをするのです!
が、その一撃で松村の怒りに火が付いてしまったようです。
松村は市議会議員の息子。
その立ち場を利用し、親のいないミチルが大学に行くために受ける予定であった奨学金を、なかったことにしてやろうかと迫ったのでした。
何も言えず固まってしまうミチル……
そんなところに、偶然ではないのでしょう、竜馬が通りがかりました。
松村はあえてミチルを抱き寄せ、これからミチルが俺たちを楽しませてくれるんだけど、お前も一緒に来るか?と非道な言葉を竜馬に投げかけるのです!!
ミチルは涙とともに、助けて!と叫びました。
……が、竜馬は顔を伏せ、その場を立ち去っていき……
機体とは違う反応を見て、ミチルは泣き崩れてしまいます。
松村はそこに追い打ちをかけるように、あいつはお前がどうなろうと興味がないんだ、自分に絡んだらどうなるかわからないほど馬鹿じゃなかったんだ、と笑うのです。
が。
その直後のことです。
この場を立ち去っていった化と思われていた竜馬が、猛烈な勢いで4人に向かってダッシュ!!
強烈な膝蹴りと右ストレートで瞬く間に松村の取り巻きをノックアウトし、松村の手首を砕いたのです!!
さらにもうこんなことしないから許して、と泣き叫ぶ松村を引き摺り起こし、顔面へ強烈なヘッドバット!!
行きつく暇もなく三人を撃退してしまったのでした!!
そして、竜馬はミチルにこう言って、今度こそ立ち去るのです。
進路希望、ちゃんと書いて提出しといたからよ。
そんな竜馬の背中に、ミチルは助けてくれてありがとう、と精一杯の感謝の言葉を返すのでした。

翌日、竜馬を待っていたのは自主退学の勧告でした。
やっぱりこうなるのか、と自嘲気味に笑う竜馬。
教室に戻り、荷物をまとめて帰ろうとする竜馬をミチルが呼び止めます。
機能は本当にありがとう、帰る前に渡したいものがあるの。
ミチルが自分の席に戻り、竜馬への手紙を添えたお弁当を取り出していたその時のこと。
竜馬は、窓の外にとんでもないものを見ていたのです。
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窓からのぞく、とんでもなく大きな怪物の姿を……!
みんな、逃げろ!
そう叫ぶ一瞬の暇すらありませんでした。
その直後、怪物の鉄槌が
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校舎とともに、クラスメイト……松村や、ミチルの体をバラバラにしたのです……!

かろうじて逃げ延びた竜馬は、校門の前で破壊の限りを尽くす怪物の姿を目の当たりにすることとなります。
このまま学校とともに街が壊され、日常はすべてがれきとなるのか。
そんな時、竜馬に声をかけるものが現れたのです。
白髪にひげの、恰幅の良い老人。
彼は語りかけてきます。
両親を殺され失うことを恐れたお前が、どんなに他者とのかかわりを拒もうとも、相手は容赦なく接触を仕掛け、お前のものを奪いに現れる。
いいか、流竜馬。
奪われるのが嫌なら奪う側にまわれ。
お前がそれを望むなら、すべてを奪える力をやろう。
その声とともに、巨大な何かが竜馬の目の前に降り立ちました。
それを指し老人は言うのです。
アレが全てを奪える力……
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ゲッターロボだ。


というわけで、竜馬がゲッターロボに出会って始まる本作。
「ラインバレル」よろしく、本作も衝撃的な幕開けを迎えることとなります。
第1話でいきなり死を迎えることとなってしまったミチル。
唯一の心のよりどころとなっていた、と言っても過言ではない彼女を失い、竜馬は打ちのめされてしまいます。
そこで出会った謎の老人……早乙女博士。
そして彼が竜馬と引き合わせたゲッターロボ……
これはすべて偶然ではないのでしょう。
様々なシリーズが存在するゲッターロボですが、共通しているのは竜馬がゲッター戦に選ばれた存在であること。
本作でもその部分は共通してはいるのでしょうが、それ以外の様々な部分はかなり謎が多くなっています。
竜馬は早乙女博士と初対面であるにもかかわらず、早乙女博士は竜馬のことを、そして竜馬の運命をよく知っているらしいということ。
そしてそれは竜馬だけではなく、ほかのメンバーに関してもそうだというらしいこと……
さらに今回の敵は、「不進化体」と呼ばれる今までにない存在。
それだけでも十分謎は深まるのですが、さらに今巻の最後では本作のキーワードになりそうな、奇妙な物体も登場!!
予想のつかない展開はこれからが本番となりそうです!

そんなストーリー面だけではなく、両先生作品らしくブラッシュアップされた、スタイリッシュなゲッターロボにも注目!
目の離せない要素満天の作品になっていますよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!