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今回紹介いたしますのはこちら。

「独裁者ジーク」第3巻 原作・稲吉慶先生 作画・葉生田采丸先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。

さて、ワルキューレ帝国への決死の突入作戦を決行した前巻。
連合軍の持つ最大の戦力ともいえる、独裁師団とともに作戦に参加したジーク達ですが、やはりワルキューレ帝国は堅牢な防衛陣を敷いていました。
次々と戦友たちが倒れていく中、ジーク達は必死でワルキューレ帝国総統のもとへ進んでいくのです!!


激しい戦いが続きました。
飛行機、列車、ワルキューレ軍との死闘。
戦いを潜り抜け、帝都にたどり着いたころには連合軍はたった5人になってしまっていました。
ジーク、ミーア、ローゼンポー、ソル、そして独裁師団の中尉、クドウ。
5人はワルキューレの飛行機を奪い、ようやく帝都へ着いたのですが……
帝都の防衛隊は、その飛行機の異常にすぐに気が付いてしまうのです。
機体からわずかに見て取れる発光……それは、独裁術の力が発言されている証。
あの飛行機は、鉄を操るジークの独裁術で操られている……?
すでに総統から、ジークに対しての扱い方の指示は明示されています。
血液さえ回収できれば、生死は問わない。
すぐに飛行機は撃墜され、そのまま墜落してしまうのでした……

落下した飛行機に、兵士たちが一斉に向かっていきます。
残がいになった機体からジークの死体を回収、血液を採取するために。
一刻も早く遺体を回収しなければ、血液はいたずらに流れだしてしまいます。
兵士たちは相当の命に従うため、回収に急ぐのです。
……そればかりに意識が言っていたためでしょう。
自分たちの足元で起きていることにまるで気が付きませんでした。
兵士たちが歩き回る地面の下で、猛烈な勢いで土を掘り進んでいる、クドウたちの存在に!!

あの飛行機はおとりでした。
ジークの独裁術で操ったそれは、派手に現れ、見つけさせ、撃墜させることが目的だったのです。
総統の居場所ははっきりとはわかりません。
ですが、ジークの知るころと同じようなルーチンで動いているとすれば、日中は参謀本部で指揮をとっているはず。
居場所も定かでないままに地上に出てしまえば、ここは敵地真っただ中。
何万といるワルキューレ兵に蹂躙されるだけですから、ここは「はず」ではない居場所の各省が欲しいところです。
そこで、ソルが先ほどの飛行機から入手していた無線機を取り出しました。
これで帝国の通信を聞けば、今の帝国軍の動きがわかるはず。
あわよくば相当の場所もわかるかもしれない、と思っていたその矢先のことです。
おそらく飛行機はおとり、向こうにはクドウもいる、すでに地中から場内に進入している、という、こちらの動向を完全に読み切った言葉が聞こえたのは!!
しかもその声は……忘れもしない、ジークの父……ワルキューレ帝国総統のものではありませんか!!
その号令を聞いた兵たちは、すぐに捜索を開始。
このままでは、地下に潜むジーク達の居所がばれてしまうのも時間の問題、かと思われたのですが……
突然総統が指を鳴らすと、帝国中の人々がピタリと動きを止めてしまったではありませんか!!
……捜索どころか、指一本動かす様子すらない帝国兵。
この隙にこちらも動いた方がいいのか、と考えるのですが、その静寂の中で一つだけ響く音があるのです。
無線から聞こえる、何かを叩くような、音……?
こんこんというその音は、だんだんと大きくなってきます。
そして不意に音がやんだかと思うと……今度は声が聞こえてきたのです。
「そこか」。
……無線音から、ジーク達のいる位置を割り出している……!?
すぐに無線を止めようとしますが、時すでに遅し。
無線に伸ばしたクドウの手は、地上から伸ばされた剣によって切断されてしまいました!!
ガラガラと音を立てて崩れる天井……
そこから顔をのぞかせたのは……
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そう、総統その人!!
総統の姿を見た瞬間、クドウは痛みを押して独裁術を使用!!
巨大な地割れを起こして総統を飲み込もうとしたのですが……
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地割れは、まるで総統を「避けるように」、総統の足場を丸々残してそれてしまったのです!!
そして総統は、クドウの使った独裁術をそのまま返して反撃してきます!!
独裁術は総統を避けて通り、そして総統は受けた独裁術をそのまま操れる……?
その底知れない力に恐怖するジーク達ですが、すぐに次の一手を放ちます。
この地割れでむき出しになった水道管から出た水をソルが操り、周囲を濃霧に包みます。
総統の視界を奪ったあと、その水道管をジークが操り、総統めがけて槍のように放ったのです!!
……手ごたえは、あった、はず。
すぐに濃霧を解いて確認したいところですが、ソルが操っているはずの濃霧が一向に晴れません!!
まさかこの霧も総統に操られている!?
ジークが驚愕したその直後。
濃霧の中から水道管の槍が飛来し
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ジークの視界を真っ赤に染めたのは!!


というわけで、最終決戦の時を迎えた本作。
次々と仲間たちが死んでいくハイスピードノンストップバトル、今巻にて完結となります!!
最終巻でも変わらず、容赦なく血しぶきの飛ぶ戦いが展開。
その最後の戦いの相手はやはり総統でした!
「独裁術そのもの」が効かないという総統を相手に、ジーク達はどう戦うのか?
最後の一瞬まで目を離すことのできない激戦、その結末をその目でご覧ください!!

ラストバトルとエピローグはしっかり描かれているものの、尺が足りなかったのか、なぜジークはミーアだけ操ることができたのかと言った謎が明かされないままだったり、最終巻ではあまり活躍がないキャラがいたりとちょっぴり残念なところもあるにはあります。
もう1巻分連載があれば……と思わずにはいられませんが、それでも今巻も見ごたえばっちりです!
ラストバトルはもちろんとして、そこに至るまでの戦いも、様々な舞台で様々な障害が降りかかってきて、手に汗握る展開に興奮しちゃいます!
本編では皆無だった女子コンビのサービスシーンを収録した番外編も巻末に掲載され、最後の最後まで楽しめる内容になっているのです!!


今回はこんなところで!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!