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今回紹介いたしますのはこちら。

「少女ファイト」第13巻 日本橋ヨヲコ先生 

講談社さんのイブニングKCより刊行です。

さて、とうとう幕を開けた春高バレー。
いろいろありまして、練たち黒曜谷の面々は絶対的なヒールとして日本中に悪名が知れ渡ってしまいます。
ですが練たちはヒールとして勝つ、という現状を完全に受け入れて戦いへ挑みます!!
初戦の相手は山吹矢高校。
山吹矢高校は人気バレーマンガ「エドガワ排球団」好きが高じてバレーを始めた面々で、一般的には色物扱いされているようで……
ですがその実力と、バレーに対する思いは本物。
大事な初戦、決して楽ではない相手に黒曜谷はどう戦うのでしょうか!?


漫画好きなら大人しく漫画だけ描いてろ、と心ない言葉を投げかけられた山吹矢。
そんな言葉に、開始早々山吹矢のこのみは涙を浮かべながら観客席に問いかけました。
確かに好きな漫画に影響を受けてここまで来た、でもなんでそれを裁かれなければいけない?
自分たちも仲間に入れてくれ、自分たちはバレーを愛している。
春高で、自分たちは片手間でやっているのではなく、ガチだと証明する!
思わず吐き出した思い。
このみの精神状態を心配した山吹矢はタイムアウトを取るのですが、このみの精神状態は心配されるほど参ってはいませんでした。
みんなには自分のペースでバレーを楽しんでほしい、目標を押し付ける気はない。
でもここでは、てっぺんを目指さないと失礼になると思っている……
このみは山吹矢の面々をバレーに誘った責任についてずっと考えていたようです。
それを感じ取った山吹矢のチームメイトたちは、一層その絆を強めるのでした!

バレーに対する真摯な、熱い気持ちを感じ取った黒曜谷の面々は、自分たちと山吹矢の間に似通ったものを感じました。
だからこそ、今までのどのチームよりも手ごわいかもしれない、と学は警戒するのですが……その不安はやはり現実のものとなるようです。
思いのたけを吐きだし、身軽になったこのみはノリノリに!!
彼女の最大の売りである高いジャンプを生かし、すさまじい角度の素阿ぴ区をガンガンはなってきます!!
この強烈なスパイクは、拾うだけならまだしも、そのあとうまく攻撃に転じるのは至難の業。
練は学に、とにかく乱れた球は自分のほうに高く持ってきてくれ、と指示をします。
そうやっているうちにまたまた放たれた好みのスパイク。
サラのブロックがかすり、こぼれ球になったところを志乃が拾い上げました!
その球を、学は打ち上げます。
絶対練につなげる、入部したころの時のように……いや、もう素人じゃないんだ、あの時よりも打ちやすく!!
放たれたオーダー通りのトス。
そうなれば練がスパイクを外すはずもありません!!
一転を取り返すものの、山吹矢も去るもの、すかさずセッターがフェイントを使って点を取り返し、なかなか点差を詰めることができません。
次こそは鋭角スパイクをまともに上げて反撃する、と意気込む志乃たちでしたが、今度スパイクを撃ってきたのはこのみではありませんでした。
今まで目立った動きをしてこなかった、早乙女花子が放ったスパイクは
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練のすぐ横にさく裂!!
点差を詰めるどころかさらに広げられてしまう一発をお見舞いされてしまったのです!!
流れは山吹矢に傾いています。
喜びに沸き立つ山吹矢に対して、練はというと……今スパイクを放った花子に熱い視線を送っていました。
練の様子のおかしさに気が付いた学がどうしたのかと尋ねますと、練はこんなことを言いだすではありませんか。
理想のフォームで、と。
なんでも「ゆっくり速い」というそのフォームは、練がずっと求めていたものの、「美しい解答」そのものなのだとか。
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……練の気持ちは、花子へ向き始めてしまいました。
全日本での合宿の時あのフォームで打てていれば、繭を抜くことができたんじゃないか?
練はそう考えたようですが……

その様子を見て、学は少し前に隆子に聞いていた練の悪癖を思い出していました。
練は自分の琴線に触れるプレーに出会うと、しばらく試合に集中できなくなる。
初めて隆子のプレーを見たとき、サラの速攻を始めて見たとき、そして全日本の合宿でも……
思い当たるところは随所に存在します。
おそらく練はそうして様々な技術を吸収し、自分のものにしてきたのでしょうから、その悪癖は悪癖と言い切れない部分もあるでしょう。
が、それが決して負けることが許されない本番……春高で起きてしまったとしたら?
隆子は学に、練が自分の世界に入りかけたらどうにか連れ戻せ、そうしないと練は勝つことを忘れてしまう、とアドバイスしてきました。
……そのアドバイスで教えられた状況が、今まさに目の前に起きているのです。
練を正気に戻さなければいけない。
でも、成長の一員になっているかもしれないこの状況を妨げてしまってもいいものなのか?
学が悩んでいますと、そこで監督が一足早く動きました。
練の異変を察知してベンチに下げ、代わりにユカを投入したのです!

監督に集中を戻せといわれ、練が頭を冷やしている間にも山吹矢のの猛攻は続きます。
このみと花子、2枚看板による攻撃に翻弄され、いつの間にか5-10にまで差が離されてしまいました。
もう疑う余地はありません。
山吹矢、趣味だとか色物だとかというレベルではない。
……強い!!

シゲルに問われ、練は山吹矢に対する印象を打ち明けます。
この子たちのバレーがもっと見たい、ドキドキする、学たちとやっと仲間になれたときみたいな高揚感が、と。
それを聞いたシゲルはそれなら黒曜谷が勝たないとだめだ、と練にいいきります。
山吹矢は攻撃に特化している分守備が甘い、スタミナが切れてくる大会後半では厳しくなるだろう。
黒曜谷には優勝する力がある、共倒れになるくらいなら先に25点取るしかない。
このみの望みをかなえたいならお前がやれ、勝ってあいつらの居場所をお前が作れ。
大石練ならできる。
……練の中に蘇る、このみの言葉、そして……!!
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うん、と頷いた練の顔には、今までとは格段に違う炎が燃えていました。
その点差のまま第1セットを取られてしまった黒曜谷ですが、練は一同に笑顔で言い切るのです。
対策がわかってきた、第2セットは獲れる!!


というわけで、春高が本格的にスタートした本作。
初戦から予想以上の熱戦となる山吹野戦、この後も二転三転を繰り返しながら決着へと向かっていきます!!
バレーへの熱い思いに関しては全く互角と言ってもいい黒曜谷と山吹矢、その勝負の行方は!?
負けられない大会での初戦で笑うのはどちらでしょうか?!
そして練たちはこの戦いで何を得るのでしょうか!!

さらにこの後早速戦いは第2戦へ!
第2戦で登場するのは、黒曜谷の面々とそっくりな容姿を持つ墨日野です。
ですが似ているのはその容姿だけで、内面はだいぶ違うような……?
と言ってもその実力に関しては、春高に出てきているというだけでも折り紙付きと言っても過言ではありません。
一筋縄ではいかないであろうこれからの戦いも、見逃すことはできませんよ!!


今回はこんなところで!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!