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今回紹介いたしますのはこちら。

「弱虫ペダル」第34巻 渡辺航先生 
秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。

さて、インターハイ前の最後の関門、1000キロ走破合宿が行われた前巻。
この合宿で、実は今まで最後のレギュラーが一人だけ決まっていなかったと明かした手嶋。
その一人とはほかならぬキャプテンの手嶋本人!
レギュラーの座を奪い取るために、一年生のインターハイ時に負ったケガで丸一年を棒に振った三年生、古賀が勝負を挑んでくるのでした!


手嶋を才能のない「凡人」だと扱き下ろした古賀。
手嶋はそんな言葉に反論することなく、自分が才能のない凡人であることを認めます。
が、だからと言って負けを認めたわけではありません。
努力が才能を超えることだってある、と信じている。
それを、試してみないか?
1000キロ踏破の半分にも達していないこの段階で、まだまだ余裕を見せている古賀に対し、手嶋は疲れ切っています。
ここで手嶋が提案してきたのは、夜間追い越し禁止を知らせるボードが配置してあるゴールラインまで、レースをしないかというものでした。
試すという言葉に、レースの誘い。
これは早くも、レギュラーの座を決定する勝負を仕掛けた、ということでしょう!!
ここで勝負を決めると取っていいんだな!
そう言ったんだよ!
二人はともに自転車部でともに歩んできた時間を証明するかのように、目でそう会話し……
同時に力強くペダルを踏むのでした!!

始まりを告げた決戦。
自転車部の一同はいったん自転車を降り、その対決をかたずをのんで見守ることにしました。
その決戦が一番気になってしまっているのが……やはり青八木です。
ともに3年、自転車部でしのぎを削ってきた3年生同士の戦い。
そして何よりも、無二の親友であ理、最高のパートナーである手嶋のインターハイの切符がかかっているのですから!!
そんな青八木の胸には、手嶋への信頼とともに、大きな不安が渦巻いています。
数多くのレースで、自分を送り出す役目をして表彰台に送ってくれた手嶋。
そんな手嶋に、青八木は以前いつも自分ばかり表彰台に立たせてもらって申し訳ないといった胸の言葉をかけたことがありました。
手嶋はそれで満足しているからいいという言葉とともに、こんなことも言っていたのです。
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オレ、ゴール前で一度も競り勝ったことないんだ。
……その言葉を裏付けるように、青八木が引いてくれたレースでも11位……トップテンに一歩届かないところで終わったレースが思い出されます。
手嶋がインターハイの場に立ち、そして総北を勝利させるためには、この悪癖をどうにかしなければなりません。
そのきっかけとしても、このゴール前スプリントを勝たなくちゃいけない……
手嶋は静かにそう決意していたのでした。

残り1200メートル。
やはり先行しているのは古賀です。
「体力バカ」の異名を持っている古賀ではありますが、さすがに足は限界近くに来ています。
しかしそれは手嶋も同じ。
いや、あくまで「凡人」である手嶋ならば、古賀以上に限界が近い……いや、限界を超えているはずです。
追い抜くことどころか、スプリントすることなんて不可能だ。
そんな古賀の考え通り、確かに手嶋は限界を超えています。
脚が回っているのが不思議なくらいだ、と自覚しながらも、それでもあきらめない手嶋。
たった一回、凡人が凡人の脚で天才を出し抜く。
そんな奇跡が、一回くらいあったっていいだろう!
手嶋はぴったりと古賀の後ろについたまま、ラストのストレートまでたどり着きました!!
残りは400!!
手嶋はとっくに使い果たしていた最後の力をさらに振り絞って脚を回し、残り250というところでついに古賀に並びました!!
そして残り200の時点でついに古賀の前に出かけるのですが……
ここで見守っていた一同が驚くべき事実に気が付くのです!
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古賀はまだ、サドルに腰を掛けたままである、と!!
残り150。
追い抜くには十分な距離だ、と古賀はサドルからしりを持ち上げ……本当のスプリント体勢に入ったのです!!!
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よく頑張ったな。
お前なりに。
刃を抜いた天才、轟音の古賀。
勝利をつかむのはやはり天才なのか、それとも……!


というわけで、インターハイ最後の一席をかけた勝負が決着する今巻。
ついに総北の正メンバーが決定することとなります!!
ただ単純にインターハイで好成績を狙うことを考えたなら、体力も上で、実績もある古賀を出したほうがいいことは間違いありません。
ですが昨年に負けない、いやそれ以上にパワーアップしているかもしれない箱根や京都伏見を打ち破り、連覇を手にするのならば、その天才を凌駕する思いの強さと爆発力を備えた手嶋の力がカギとなるかもしれないのです!!
天才対凡人の戦いはどんな決着を迎えるのか?
熱戦は最後の瞬間まで見逃せない展開となるのです!!

そしてこの後、合宿に思いもよらない来客が姿を現します。
この来客の登場が、決戦に何らかの変化をもたらすのか……?
それがはっきりするのはもう少し後のことになりそうです。

さらに時間は進み、とうとうインターハイ当日へ!!
坂道が迎える二度目の大舞台。
今年はいったいどんな激戦となるのでしょうか!?


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!