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本日紹介いたしますのはこちら、「アイアムアヒーロー」第14巻です。
作者は花沢健吾先生。
小学館さんのビッグコミックスより刊行、ビッグコミックスピリッツにて連載されています。

さて、意識を取り戻した比呂美、そして小田とともに逃避行を続ける英雄。
さしあたっての問題は、奏遠くないうちにそこをついてしまいそうなガソリンと、弾薬です。
できればお風呂に入りたい、という女性陣の要望と、あわよくば混浴という邪まな思いもコメ、一同は箱根に向かうのですが……?

箱根に一軒だけあった銃砲店。
たどり着いてみると、そこは無残に焼け落ちてしまっていました。
きちんと使える銃器や弾丸は残っているのか、ZQNが潜んでいないのか……?
小田と比呂美には車で待機しているように命じ、英雄は携えて奥へと進んで行くのです。

店内もやはりかなり葛西による被害を受けていました。
並べられた商品だったであろう銃も、ひとつ残らず黒コゲになってしまっています。
流石にこれではもう使うことはできないでしょう。
慎重に様子を窺いながら、店の奥へ入っていきました。
店の奥には小型の金庫がずらりと並んでいます。
万一のときの防犯も考え、この金庫の中に弾薬を保管している、ということでしょう。
となれば、火事で店中が焼き尽くされても弾薬は無事である可能性も充分でてきました。
言うまでもなく、金庫には鍵がかけられています。
ですが金庫は小型。
ひとつぐらいならもっていけるか?と抱え上げようとする英雄ですが、そこはなんといいますか、さすが金庫。
重くてびくともしないのです。
力仕事の助けを女性陣に求めるのもなんですし……
とりあえずその部屋をでる英雄。
すると、薬きょうが落ちていることに気がつきました。
どうやらその薬きょう、スラッグ弾のもののようです。
スラッグ弾は大型の獣を飼ったりするときに使用する、簡単に言うと威力の大きい弾丸です。
誰かがこの弾を使って戦ったのでしょうか。
ZQNと?それとも、暴徒と化した人間と……?
辺りを見回してみますと、黒コゲになってしまっている遺体の下に銃があるのを発見。
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その遺体に謝りながら、銃を引っ張り出してみる英雄。
その銃はやはり、先ほどのスラッグ弾を装填できる銃でした。
どうやらこの銃はまだ使えそう。
この黒コゲの遺体の方は、ここでたった一人戦っていたのでしょう。
お疲れ様でした、あなたの銃を使わせていただきます。
どうか助けてください。
英雄は合掌し、銃を受け継ぐのでした。

装甲している間に、心配した小田と比呂美が銃砲店にやって来てしまいました。
銃を一丁手に入れたものの、玉は金庫の中でどうしようもなさそうだ、と冴えない戦果の程を二人に報告した英雄。
すると、二人は勝手に決め付けるな、3人いれば何とかなる!と金庫のところに行こうとおこられてしまうのです。
金庫の部屋に行ってみると、比呂美はいけそう、と一人で金庫を動かして見せました。
凄い、男のオレでも無理だったのに!とはやし立てる英雄と小田ですが、やっぱり比呂美も乙女でして。
やっぱり重たい、無理、と金庫を戻してしまうのでした!
いろいろ察した小田によって。3人でやっと持ち上げられた、と言う体で金庫をひとつおろします。
そのまま金庫を屋外に持っていって、バールでこじ開けようと言うことになったのですが……
英雄が懇親の力でこじ開けようとするのですが、やはり無理。
そこで白羽の矢が立ったのが比呂美です。
比呂美はちょっとやってみて「ムリ」だと言うのですが、英雄は無遠慮にさっきのバカ力出せば絶対開けられるって!とせっつくのです。
バカ力じゃない!という怒声とともに力を込める比呂美!
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すると金庫の扉は、そう長くももたずばっかりと口を開けるのでした!!

金庫の中にはまだ綺麗な状態の弾丸が沢山はいっていました。
先ほどのスラッグ弾や、愛用の銃に使う弾もあります。
これで不安のひとつだった銃弾不足が解消されました。
そこで、これで銃も二丁になったわけだから、私にも銃の使い方を教えろと小田が提案。
銃刀法と言うのもあるから教えられないと言う英雄ですが、比呂美は前教えてくれたじゃないかと言い出しまして。
小田さんはまだなんだ、意外だねとどこか得意げな比呂美に、そりゃ初耳だ、比呂美ちゃんには教えてるんだと
冷めた目を投げかける小田……
予想外のところで起こった小競り合い。
もめそうな雰囲気がおき始めたその時、突如比呂美が聞き耳を立てながら、二人に静かにするよう言うのです!
どうやらZQNの気配を感じ取ったようで。
臨戦体勢を撮りながら、車に向かおうとする二人。
ですがもう間に合いません。
やってきたZQNは……
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あの黒コゲになった遺体でした!!
黒コゲの体では歩くのもままならないのでしょう。
ゆっくり歩を進めるZQN……
撃つべきなのか、ZQNを呼び寄せることを警戒してやめておくべきなのか?
迷っているうちに、比呂美はまた無防備にZQNに近寄っていってしまうのです!
やめろと叫ぶ小田ですが、比呂美はといいますと、大丈夫だよこの人……と笑みさえ浮かべて余裕を見せるのです。
ふらつく黒コゲZQN、バランスを崩して比呂美にもたれかかります。
それでも比呂美は慌てることなく、何かいいたいの?と子どもをあやすかのような優しい口調で受け答えして……
ZQNはパキパキと音を立てながら口を開きます。
ですが傍からみればそれは噛み付こうとしているようにしか見えないわけで……
そんな中、英雄はもしかしたらと言う可能性に思い当たります。
樹海で比呂美とであったときも、比呂美はZQNと意思疎通をしていたかのような行動をとったことがありました。
一旦感染したこともあって、その力は増幅したと言うこともあるのでしょうか?
もしかしたら意思疎通しているかのように見えた、ということではなく、本当にZQNと意思疎通ができるのではないだろうか。
英雄はそう考え、もっとギリギリまで様子をみようとしたのですが……
そこでたまりかねた小田がバールをZQNの頭につきたて、そのまま止めを刺してしまったのです。
二度目の死を与えるなんて酷い、とその行動を批判する比呂美ですが、小田は引きません。
もう一度かまれて感染したらどうするんだ、あたしは死んだ人間より生きた人間を優先する、危険なことは慎んで!
きつい口調でそういわれて瞬間、頭に違和感を感じます。
目をこすって小田の方に視線を戻すと、そこには
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ZQNになっていた頃に見えていた、あの奇怪なぬいぐるみの姿に見えて……!!
不可思議な光景に戸惑う比呂美。
ですがその幻覚(?)も戸惑いも、割って入った英雄によって打ち払われました。
何も言わずすぐ脱出!車へ走って!
二人を車に走らせ、英雄は先ほどの銃弾をリュックに詰め込み始めます。
ですがそれとほとんど同時に、辺りがにわかに騒がしくなってきていて……
何がきっかけとなったのか。
そこかしこの窓やドアを突き破り、続々と姿を現すZQNたち!!
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慌てて銃弾を積み込み、英雄は車に急ぐのですが……!?

というわけで、箱根にたどり着いてもやはり安息とは程遠かった今巻。
銃弾を手に入れることは出来ましたが、ZQNの集団に襲われることとなってしまいました。
観光地に行くと言うことは、大量のZQNに襲われてしまうと言う危険と隣り合わせであったことは覚悟のうえ。
ですがいざその時に直面してみれば、やはり覚悟云々ではすまない状況なわけで……
一同は土地勘の無い場所で大挙して押し寄せるZQNから逃げ切ることができるのでしょうか?
それとも……?
そしてこんな状況ですが、まさかの入浴シーンもあり!!
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表紙だけのサービスと言うことはなく、キッチリ女性陣二人が入浴してくれるのです!!
ホラーとお色気はセットが基本(?)となっていますが、まー本作にお色気というものはまったくというわけではないにしろ、ほとんど縁がありませんで。
死と隣り合わせのサバイバルの最中に披露されるお色気は、なんだかミスマッチで興味深いような?
入浴する二人もすぐ後ろに死が迫る状況にもかかわらず、どこかのんびりとした会話をしてしまうあたり、似たような感想をもったのかもしれません!!

そんなお色気シーンを経て、物語は誰も思いもつかなかったとんでもない展開を迎えます!!
今まで幾度となくあっと驚く展開を繰り返してきた本作ですが、今回の展開は本格的に予想外!!
これが一体、今後の展開のどんな呼び水になるのか?
何もかもが謎の、急展開なのです!!

箱根で起きる異変、「アイアムアヒーロー」第14巻は全国書店にて大好評発売中です!
比呂美の持っている能力、再び垣間見た感染時の幻、物語の鍵となりそうな大異変。
今巻もまた、見所満載というほかなしの一冊となっています!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!