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本日紹介いたしますのはこちら、「ウワガキ」第4巻です。
作者は八十八良先生。
エンターブレインさんのビームコミックスより刊行されました。

さて、様々な出来事から千秋の恋愛が破局してしまった前巻。
ですがそれでも安治川は、そのチャンスに乗じて小秋の勝ちにすると言う道は選びませんでした。
小秋とは恋愛関係にはならず、友達関係のまま融合まで付き合っていく。
そうなれば融合後は千秋の記憶が上書きされるはずで、元に戻った千秋を改めて安治川がおとす!
そんな道を選んだのです!!

千秋にその決定を伝えると、やっぱり千秋はなんであんたに落とされなきゃいけないんだと怒ってきました。
ですがそれはやはりいつものような、安治川の気遣いから来たものな訳で。
千秋の和也への思いも消したくなかった。
そんな安治川の思いを知り、思わずそのやさしさに涙を浮かべる千秋。
今まで安治川に対して恋愛感情は感じていなかった千秋ですが、それは和也と言う存在があったから。
失恋のショックもまだ色濃い中、このやさしさを浴びせられては千秋も惹かれないわけがありません!

そんな感じで向かうことになった修学旅行。
とりあえずこれが、おそらく千秋と小秋と安治川が三人でどこかに行く最後の大イベントになるでしょう。
とにかく難しいことは考えず、このイベントは楽しみたいところ。
ですがそうも行かない事情が湧き上がってまいりました。
前回出し抜けにやってきた謎の外人女性、ジェーン。
彼女は山田の研究を調査しに来たようで……簡単に言うとスパイなのです。
そんな彼女とスパイ仲間達が、どうもこの修学旅行中に襲い掛かってくるそぶりを見せていまして。
しかもそのターゲットとして当の山田だけでなく、彼が作り出したクローンである小秋も狙われてしまっているのです!
更にいってしまえば、得体が知れず隙も少ない山田よりも、あくまで普通の少女に過ぎない小秋のほうが捕まえやすいわけで……
この修学旅行、油断はできなさそうです!!

そんな折、とあるクラスメイトの女子が泣いておりました。
この修学旅行先で、愛しい彼氏と一線を超えてしまおう……!
学校に代々伝わっているらしい、毎年泊まるホテルで万が一のための予備部屋として用意されている空き部屋。
その部屋の鍵をなぜか持っているものがおりまして、鍵を借りてその部屋でよろしくやろうとしていたのです。
ところがそのクラスメイトの女子、自分と言うものがいながら、彼氏がナンパしていたのを見てしまっていたようで。
今晩のウフフは立ち消えとなってしまったのです。
そうなりますと、使用希望者でガッチガチにスケジューリングされていた部屋に空き時間が出来てしまいます。
そのまま遊ばせておくのも勿体ありませんし……
気がつけば
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その部屋で安治川と小秋は二人きりになっていたのです!!
友達として付き合うとは言ったものの、二人は結局好き合っているわけで。
融合後の千秋を落とせるよね、と確認してくる小秋に、頑張ると答えた安治川ですが……
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一分でも一秒でも早く私を迎えにきて、と言う小秋にときめいてしまうのです!
二人は自然と手と手を取り合い、顔と顔を近づけていき、口付けを……
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一線、超えちゃうのでしょうか!?

その翌日は残念ながら雨でした。
ですがこんなもの、楽しい楽しい修学旅行の、しかも100%お楽しみだけの遊園地と言うシチュエーションとあってはへのカッパでしょう。
ジェーンをはじめとしたスパイたちがこの遊園地で勝負を賭けてくる公算は高いのですが、それに関してもこの雨はプラスに働きそう。
カッパを着たことにより、千秋と小秋の容姿の判別は非常に困難に。
さらに遊園地じゅうに同じようないでたちのカッパーたちが自然に発生しているわけで、木を隠すなら森の中といった風情になっているのです!
ですがその余裕ムードは一転してピンチへと変わってしまうのです。
ジェーンが遊園地のイベントと称して、小秋の顔のドアップの映像とともに「この子を捕まえてくれたらプレゼント」などと言い出しまして。
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瞬く間に森だったはずのクラスメイトまで敵となってしまったのです!
大ピンチではありますが、安治川たちにも勝算がないわけではないのです。
実は山田が自分のクローンを作り、研究所にお使いさせていました。
二人を分離させたラブラブチェッカーをそのクローンに持ってこさせ、返ってきたらさっさと二人を融合させてしまう。
そうなれば千秋(小秋)は正真正銘ただの人間、つかまる恐れはないと言うわけです。
ですが流石にここは修学旅行先、朝市の新幹線で鳥に戻らせても戻ってくるまでに時間がかかってしまいます。
クローンが帰ってくるのは、遊園地開園から3時間後。
それだけ粘れば安治川たちの勝利となるのです。
ですがそれは、逆に言えば千秋と小秋との今の関係が終わってしまうと言うことでもあり。
とは言えそんな感傷に浸るヒマもありません。
襲い掛かってくるスパイたち、逃げ惑う安治川たち。
思わぬ助っ人なども現われる壮大な追いかけっこは、意外な形で決着!
思いもよらぬ急展開から迎える感動のフィナーレは、必見です!!

と言うわけで、完結となった本作。
三人を巡る不思議な恋愛関係は、突然終わりを告げることになってしまうのです。
千秋が上書きされるのか、小秋が上書きされるのか?
安治川としては千秋がメインとなることを想定しているようですが、そうなれば相思相愛であった小秋を失うことになるわけで。
それはそれでハッピーエンドとは言い切れないような……
ですがそのあたりは大丈夫。
また別の選択肢が用意されていまして、素敵なハッピーエンドを迎えてくれますから!!

第3巻までは、色々あって泣いている姿も多かった千秋。
今巻では今までとは違う方面での様々なトラブルにめぐり合って大変な目にもあって、今までとは別のベクトルで泣いてしまうことになります。
ですが最後には最高の泣き顔を見せてくれますので、そのあたりも注目せざるをおえますまい!!

とうとう完結となる、「ウワガキ」最終第4巻は全国書店にて好評発売中です!
遊園地での急展開からエンディングへ一直線する本作。
そんなエンディングの余韻をさらに深めてくれる後日談も収録しております!!
さ、本屋さんに急ぎましょう!!