本日紹介いたしますのはこちら、「藤子・F・不二雄大全集 キテレツ大百科」第1巻です。
小学館さんから刊行されています。
言うまでもなく作者は藤子・F・不二雄先生。
大全集の他作品の紹介は「藤子・F・不二雄」のテーマにてまとめさせていただいておりますので、そちらもよろしければご覧くださいませ。
さて、みんなが知っている大人気作品、「キテレツ大百科」。
ですがこの作品が連載されたのが「こどもの光」という農協系の雑誌に連載されていたことから比較的マイナーな作品でした。
ですが連載開始の74年から10年以上たった86年に特番としてTVアニメが放映され人気を博し、翌年より8年以上にわたる長期間放映され一躍人気作品となりました。
今策も他のF先生作品の例に漏れず幾度と無く単行本が発行されてきました。
ですが未収録の話などが存在するバージョンも多く、千羽をまとめて読める機会はあまりありませんでした。
今回は大全集ということで近年世間への配慮によって未収録となっていた「地震の作り方」も収録!
さすが大全集といえる作りになっています。
予告ページの掲載、「藤子不二雄ランド」についていたセル画用のイラスト、アニメ化に際して連載された「新・キテレツ大百科」を執筆した田中道明先生による作品解説の掲載等々、資料的価値が十分な一冊ですが、やはり注目したいのはアニメ版とはひと味違う様々な要素です。
なにせコロ助がおそろしい!
第1話のタイトルが「ワガハイはコロ助ナリ」なのですが、まず本編では名乗らず、更に命名したシーンもないのでこの名前がどこからわいてきたものなのかが謎なのです!
そして焦点があっていない目に、
発明の邪魔といってキテレツの母親を倉庫に押し込んでしまう突拍子もなさ!
F先生は当然ギャグでやってらっしゃる訳ですが、コロ助の全く変わらない表情も相まってなんか怖いことこの上ないですよ!!
他にキテレツを「英ちゃん」と呼んでみたり、もキテレツのためならお使いは行ってくれるわ、おやつは「アーン」して食べさせてくれるわ、めっちゃ従順だったりとなんだか違う彼の一面をかいま見れます!
話が進むにつれだんだんとアニメ版に近いやんちゃでわがままなコロ助になっていくのですが、焦点のあっていない目はそのまま。
やっぱりなんか怖いんです!
そしてみよちゃん以外の友達もいまいち固まりきっておらず、ブタゴリラが結構イケメンだったり、
トンガリっぽい外見のキャラが「コンチ」と呼ばれていたり
といった、まだ作品の固まりきっていないポイントを見られます。
そんな中でも最初から全くといいほど変わっていない勉三さんの完成された造形は見事としかいいようがありません!
「ダス」とはいいませんけど。
ドラえもんと非常によく似た構造でありながらも、秘密道具に当たるものの「できるまで」のシーンがあり、手作りでアドバイスしてくれる人がいないため失敗もよく起こるというもしかしたらドラえもんの正当進化作品なのかもしれない本作。
ドラえもんと比較しながら読んでみるのも面白いのではないでしょうか。
30歳前後の人ならば激しく反応してしまうであろう傑作、「藤子・F・不二雄大全集 キテレツ大百科」第1巻は好評発売中です!
コロッケのコの字もでてこないキテレツもまた一驚ですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
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