画像

本日紹介いたしますのはこちら、「the Strings Dolls」第1巻です。
スクウェア・エニックスさんのガンガンコミックスONLINEより刊行、ガンガンONLINEにて連載中です。

作者は緋原俊介(ひばる しゅんすけ)先生。
緋原先生は09年ごろからガンガンONLINEに読みきりを発表し始めている新人漫画家さんです。

さて、本作は独自のアイテムを中心に繰り広げられるサスペンスものです。
閉鎖された空間での犯人捜し、と言うオーソドックスな物語作りではありますが、その独自のアイテムが一味違った味わいを生み出しているのです!!

夜釣島。
人工わずか8000人ほどの小さな島にある兄妹が住んでいました。
車椅子に乗った少女の小依と、彼女の乗る車椅子を押して歩いている兄の詩朗。
彼らはバスに乗るためバス停にやってきたのですが、ちょっと遅刻してしまい、バスに乗り遅れてしまいました。
次のバスがやってくるのは一時間後。
田舎ではバスが一時間日本と言うのはよくあることなわけでして。
仕方が無い、歩いていくかと言うことになるわけですが、時期は夏真っ盛り。
小依はのどが渇いたと兄に飲み物をおねだりするのです。

小さな商店の前に並ぶ自動販売機をざっと覗いてみてもなんだかパッとした飲み物がありません。
そのまま裏手の方に回ってみると、なんだか妙な機械がおいてありました。
詩朗はそれがなんだかわからないのですが、小依にはピンと来た様子です。
なんでもこれはゲームの体験版なんかをダウンロードできる端末なんだそうで。
この島にもこれがあったのかと喜び勇んで早速アクセスしてみると、
画像

「THE Strings Dolls」と言うタイトル画面が表示されました。
聞いたことないけど面白そうだ、と小依は早速ダウンロード。
ダウンロードが完了してから、2人は目的地である学校に向かうことにしたのでした。

詩朗が全速力でダッシュしたかいあり、学校には無事到着。
つかれきった詩朗に、小依は先ほどのゲーム機を押し付けて「説明書を読んでおいてね」と言って自分の教室へ向かっていきます。
兄使いの荒い妹にげんなりする詩朗ですが、やはりそこは可愛い妹のため。
授業中こっそりとゲームを起動してみるのでした。

するといきなりマスコット用なものが登場し、ゲームのチュートリアルが始まります。
まず画面をカメラモードに切り替え、周りに家族や友達なんかがいたら画面に映し出されている彼らをタッチしてみろと指示してきました。
そして促されるままタッチしたその指をスライドしてみると、
画像

なんと現実世界でタッチされていた友人が立ち上がったではないですか!!
何の前触れもなく授業中に立ち上がった彼を見てびっくりする教室の面々。
最も驚いているのは他ならぬ詩朗ですが……これがこのゲームの仕業と決め付けるのはまだ早いと考えたのでしょう。
そこで今度は教師を画面に映し、ちょんと後ろに引っ張るように触ってみると、やはり今度も教師はバランスを崩したように転んでしまうのです。
「人を動かす」……これこそがこのゲーム、「ストリングス・ドールズ」!!

その後、小依にそのゲームのことを包み隠さず教える詩朗。
小依は面白がり、兄の体や飼い猫の体を操って大はしゃぎします。
ネコすら自在に動かせるその様子を見て、詩朗はあることを試してみようと考えました。
痛かったら言ってくれと言いながら試してみたのは
画像

車椅子の小依を立たせることでした!
ストリングス・ドールズの力は絶大で、小依りは何の痛みも違和感もなく立ち、歩ける様子。
喜び勇んだ二人は、このままゲームの効果の程を検証することに。
どうやら一度に動かせるのは一人、有効範囲は20メートルほど、近寄れば近寄るほど細かい動きをさせることができる、と言うことがわかりました。
2人は求めてやまなかった、小依一人で歩くことができる幸せを噛み締め、今まで以上に外に出歩くようになったのでした。

その二日後。
ストリングス・ドールで自由に(?)歩けるようになった小依は、車椅子を使わず詩朗とフェリーになって遊ぶことにしました。
そこで小依は自分が歩けなくなってしまったきっかけである、大型トラックを見て一瞬取り乱してしまうのですが……すぐに気を取り直して詩朗にアイスをねだります。
自分が遊びに連れて行かなければその事故は起きなかった、とやはり沈んでしまう詩朗も、小依本人に暗いの禁止と注意されてしまえば気にし続けるわけにもいかず。
大人しくアイスを買いに向かうのですが、その時フェリーの柵の外に立ち尽くす中年男性を見かけるのです。
自殺しようとしているのか?そう考えた詩朗はストリングス・ドールで阻止しようとするのですが、
画像

なぜかその男性には効能が働かないではないですか!!
慌てて抱え込んで柵の内側に戻すのですが、中年男性は「自殺する気なんてなかった」「体が勝手に動いた」とおびえており……
まるでストリングス・ドールを使ったかのような状態ですが、とりあえずその不思議を探るよりも先に男性を安全で落ち着ける室内に連れて行くのが先でしょう。
詩朗は小依に待っていてくれと言い残して男性を連れて行こうとするのですが、ふと見ると
画像

自分はゲームを使っていないのに、小依が立ち上がっているのです!!
体が言うことをきかないという小依。
詩朗はすんでのところで落下する小依の腕を掴むことに成功するのですが、小依のあいているもう一方の腕で手首を殴りつけられてしまい、その手を放してしまいました!!
なす術なく落下する小依。
そして詩朗もまたその光景を見つめるしかなかったのです……

小依は一命を取り留めますが、意識を取り戻す気配はありません。
こんな惨状を招いたのは、おそらくストリングス・ドールズをダウンロードした自分以外の誰かの仕業でしょう。
そして何より、自分達がこのゲームを手に入れなければそもそもこの場所にも来なかったはず。
すべての原因はこのゲームにある。
そう考えた詩朗は、ゲーム画面に映し出された「すれ違ったプレイヤー」の「MIYAVI」を探し出し、ゲームを破壊することを決意するのです!
画像

ですが人口8000人の小さな島とは言え、素性の知れない人間ひとりを探し出すのは困難。
その上、詩朗と小依の前に予想だにしなかった様々な恐怖が降りかかるのです!!
果たして詩朗はこのゲームを消し去ることができるのでしょうか?
小依はその意識を取り戻すのでしょうか……!?

というわけで、幕を開けた本作。
小依を苦しめている人物、MIYAVIを探すと言うのが本作の目的になっていくわけですが、勿論それだけではすみません。
冷静に考えればそれほど意外ではないのですが……このゲームをダウンロードしたのは複数名いる様子!
しかもその捜し求めるMIYAVIもなにやら小依や詩朗に執着している様子を見せており……
探す以前にこちらにも危険が及び始め、物語は人探しに終わらない、恐怖の殺人ゲームへと発展していくのです!!

正体不明のゲームによって恐怖の日々が始まる、「ストリングス・ドールズ」第1巻は全国書店にて発売中です!!
ゲームの持ち主を探す本作。
8000人の中に潜む、悪意をどう潜り抜け、どう倒すのか。
緊迫の展開は続きそうです!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


ストリングス・ドールズ(1) (ガンガンコミックスONLINE)
スクウェア・エニックス
2011-11-22
緋原 俊介

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ストリングス・ドールズ(1) (ガンガンコミックスONLINE) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル