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本日紹介いたしますのはこちら、「行徳魚屋浪漫 スーパーバイトJ」第3巻です。
秋田書店さんの少年チャンピオンコミックスより刊行されました。

作者は沼田純先生。
本作第1巻は11年7月9日、第2巻は12年3月18日の記事にて紹介しています。
あわせてご覧くださいませ。

さて、漫画家とスーパーの鮮魚部のバイト、二束の草鞋(ゴム長?)を履く男、沼田先生の日常を描く本作。
今日も今日とて魚とやりあうわけですが、今巻ではついに決断を迫られることになってしまうのです!!

ある日突然、主任に「漫画のネタはあるのか?」と問いかけられた沼田先生。
出し抜けに投げかけられた、編集者のような言葉に戸惑いを覚えつつも、やはり編集者に返すような「100個あります!」と言う返事を返しました。
そんな返事を聞いた主任。
沼田先生の変じの裏に隠された、本当の思いを感じ取ったのでしょう。
明日3時集合な!と、出し抜けに集合の約束を切り出したのでした!!
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で、そんな時間に集まってどこに行くのかと言いますと、ズバリ築地です。
とにもかくにも、魚のプロ達が闊歩するその空間に自分がいていいのかと戸惑う沼田先生。
この築地と言う空間、同じく肴のプロである主任からすれば遊園地のようで楽しいんだそうです。
で、いきなりなぜこんなところに連れ出したのか?
主任は沼田先生を振り返り、「多分いい刺激になると思うんだよ!」と力強い視線と言葉を投げかけます!
沼田先生はその言葉で、漫画のねた作りに協力してくれているのか!?と、嬉しいやらなにやら複雑な思いを胸によぎらせるのでした!
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発泡スチロールが堆く積み上げられた発泡タワー、魚をさばいたりする道具をウインドウショッピング、ターレーと言う独自の乗り物がひしめき合うツキジカルパレード……
漫画のネタになるかならないかはおいておいても、なんだか楽しい体験は出来た沼田先生。
シャコガイを売りたくてしょうがないらしい男性に、最初はしぶっていた主任が彼の「あなたならおいしくさばけると思ったのに」と言う言葉を聞くや否や、とってもいい笑顔で一つ買おうかな、と態度を軟化させる。
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そんなシーンも見られたのですから成果も上々といったところでしょう!

楽しい見学ツアー(?)も終わり、そのまま築地で朝ごはんをご馳走になる沼田先生。
築地につれてきてくれた上に朝ごはんまでご馳走になり、至れり尽くせりな感じですが、ここで主任から思いもよらない言葉が発せられるのです!
仕事は一つに絞った方がいいと思うんだ。
選ぶとしたら魚屋と漫画、どっちを続けたいんだ?と……!!
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出し抜けに投げかけられた、運命の選択。
売れっ子漫画家なら迷うはずもないのでありましょうが、悲しいかな沼田先生は複数間の単行本発行は本作が初めてと言う、現状はちょっぴり厳しい漫画家といわざるを得ません……!!
沼田先生は悩みに悩んだ末……
僕は漫画家になります!!と決意表明をしたのでした!!
もう漫画家なんですけど……と言う突っ込みはおいておきましょう!
そう決断した今、どちらかを選ぶべきだと言われてしまった主任のいるこの鮮魚部で働くのは色々難しいところでしょう。
沼田先生も漫画一本に本腰を入れることが出来るわけで、ステップアップのためには悪い選択ではありません。
意を決し、鮮魚部のお世話になったり余計なお世話をしてくれたりした人たちにお別れの挨拶をして回るのですが……
みんなそうでもない感じのあっさりした別れの挨拶を返してくるばかり。
確かに沼田先生本人からすれば大決心なんでしょうが、よそ様から見ればバイトさんが1人、自分の都合でやめるだけな訳で。
こんなもんかな、と沼田先生はがっくりするのです。

瞬く間に時は流れ、一ヶ月がたちました。
いくらバイトと言えど、やめますといって明日から来なくてよくなると言うもんではありません。
社会の常識的にもやめる一ヶ月前には告知しなければなりませんので……その一ヵ月後の今日が勤務の最終日となったのです。
主任はいつでも取材に来いと言ってくれましたが、他には特にアレからなんの代わり映えもなく日々は過ぎていきました。
これでハイさよならか、と落胆を隠しきれない沼田先生。
ですがそんな沼田先生にササキさんが声をかけながら何かを差し出してきたのです!
それは財布でした。
鮮魚部のみんなが500円ずつ出し合って買ってくれたと言う餞別のアイテム……
そっけなかったみんなですが、やっぱり沼田先生のことを気にかけてくれていたのです!!
みんなの愛情に、こらえきれない涙が溢れてしまい……
沼田先生は溢れ出す涙と、感謝の気持ちを胸に鮮魚部を去るのでした……
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と言うわけで、沼田先生の決意とともに完結となる今巻。
感動的なラストと見せかけて、しっかりと最後にオチが用意されていますのでご安心(?)ください!!
この他、もちろんいつもの鮮魚部の日常がたっぷりと収録。
さらにチャンピオンがらみの取材系のお話も掲載されています。
いまや一つ星になってしまったチャンピオンスリースターズのイベントレポート、現在もチャンピオンの柱の一つとなっている「クローバー」ドラマ撮影現場取材、モンスターハンターと「浦安鉄筋家族」コラボに関しての取材、と様々用意されております!
その上今巻には、沼田先生の前作であり、単行本第1巻が発売された後、第2巻が発行されないまま終わってしまっていた「トンボー」の最終回を収録!!
「トンボー」第1巻を持っている方は必携の1冊になっております!!
さらにさらに08年に発表された読み切り、「ギゼンダーマン」も収録。
こちらは本作中で主任がモノマネしてくれた作品の実物(?)ですので、作品の面白さ以外にも、本編とのリンクを楽しむことも出来るのです!

沼田先生の運命の選択で完結する、「行徳魚屋浪漫スーパーバイトJ」最終第3巻は全国書店にて発売中です!
前作が前作だっただけに、きちんと完結巻が出たことをまずは祝福したい本作。
描き下ろしのおまけページもふんだんに用意され、巻末のオマケ漫画も4Pと大ボリューム!
充実した内容になっていますので、雑誌派の方も安心してお買い求めくださいませ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


行徳魚屋浪漫スーパーバイトJ 3 (少年チャンピオン・コミックス)
秋田書店
2012-07-06
沼田 純

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