3階の者だ!!

DEBがお送りするネタバレありのコミックス紹介ブログです。 短編物では一話にスポットを当てて、長編物ではこの後どうなるの?と言うところまで紹介しているつもりです! ※作品記事につきまして、権利者様が問題があると感じられた場合はご一報ください。対応いたします。

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本日紹介いたしますのはこちら、「まじもじるるも」第4巻です。
講談社さんのシリウスKCより刊行、月刊少年シリウスにて連載されています。

作者は渡辺航先生。
「渡辺航」のテーマにて過去の紹介をまとめておりますので、そちらもご参照いただくのもよろしいのではないかと思います。

命と引き換えに魔法が利用できるようになったコウタ。
煩悩の塊ともいえるコウタですが、さすがに命と引き換えの魔法はそうそう使えないようで、第3巻では命の残量を示す魔法のチケットを一枚も使わずにやり過ごせました!
この調子で何とかやり過ごしつつも、あわよくば女の子とキャッキャウフフしようともくろむコウタの明日はどっちでしょうか!

というわけで第4巻。
今巻の目玉はやはり新キャラが登場するお話でしょう!

ある日コウタが空から女の子でも降ってこないかなー、とあほらしいことを考えながら歩いていると……
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降ってきました。ラピュタは本当にあったようです。
いきなり現れたその少女は魔女のハルリリと名乗りました。
コウタと契約したいと切り出す彼女ですが、いくらなんでもこれ以上命を危険にさらしたくないコウタは即座に断ります。
逃げ出すコウタですが、ハルリリは追いかけてきてコウタにチケットを見せ付けました。
そのチケットは成績優秀魔女に贈られる「代償回収免除チケット」で、なんと代償なしで自由に使える夢のチケット!
ためしに一度使ってみろと気前よく一枚コウタに与えるのでした!

豪華料理セットを注文し、瞬く間に食べ終わるコウタ。
女の子がらみではない願いとはコウタらしくありませんが、これはほんの小手調べ、本当にただで魔法が使えるかのお試し魔法だったのです。
コウタの本当の願いは……
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全女子生徒の制服が自分にだけ見えなくなる魔法!!!
すげえ!!すげえバカ!!
早速その魔法をかけてもらい、全校集会の行われている体育館に駆け込もうとするコウタ。
ですがその寸前、チロが現れて「二人目の魔女が突然現れて契約を迫るなんておかしいと思わないのか」とコウタを諭します。
……が、まったく気にしないコウタは体育館にダイブするのでした……

実は魔女との2重契約は不可能で、新規の契約が優先、すでにしていた契約は自動的に破棄されます。
そうなるとるるもの修行も無効になり、魔女になれなくなってしまう……!
昔からるるもにいじめのようなことを繰り返してきたハルリリが人間界に来てまで仕掛けてきたわけです!

喜び勇んで体育館に駆け込んだコウタ。
ですが魔法の目は一瞬で効果が消失。
お試しだからもう効果が消えたのか、とハルリリの元へとんぼ返りします。
そこにはハルリリとるるもが対峙していました。
あとはコウタがハルリリにしっかりと名乗れば契約成立。
そうなればるるもは……!
契約破棄寸前というピンチに、事情なんてまったく知らないコウタ!
急展開のストーリーに、更なるどんでん返しの結末が待っています!!

この他にも今巻は見所が満載。
るるものコスプレ姿が拝めたり、
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コウタと魔法によってくっついたままになり、スキンシップ(?)をはかることになったり……
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萌えやギャグだけでなく、チロの切ない出会いと別れのストーリーというまっとうな感動物語も収録されて盛りだくさん!
「弱虫ペダル」とは違った渡辺先生の味が存分に発揮されていますよ!

魔法と死と美少女と、背中合わせのドリームライフ漫画「まじもじるるも」最新第4巻は好評発売中です!
恒例の書き下ろしの四コマ漫画も収録した充実の一冊、雑誌派の人も安心ですよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


まじもじるるも 4 (シリウスコミックス)
講談社
渡辺 航

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本日紹介いたしますのはこちら、「オールラウンダー廻」第2巻です。
講談社さんのイブニングKCより刊行、イブニングにて連載されています。

作者は遠藤浩輝先生。
本作第1巻と遠藤先生の簡単な紹介は09年4月29日の記事にて触れておりますので、御興味等ございましたらご覧になってくださいませ。

さて、今までなんとなく格闘技をやっていた廻が、リングで再開を果たしたかつての友人や対抗意識を燃やす道場生によって徐々に真剣になり始めた第1巻。
技術もフィジカルもまだまだにも程がある廻ですが、第2巻ではどうなるのでしょうか?

2回続けての敗戦、しかも2敗目は打撃によるノックアウト。
さすがに悔しさを感じた廻は、早朝の走りこみや筋トレを実行し食事も気を使いはじめます。
道場での練習も密度の濃いものになっており、今までスパーで勝っていないライバル的存在の勇大からあわや一本を、しかも勇大の得意な技を逆に使って取れる寸前まで行くほどに上達していました。
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そんなある日、指導員をしていた選手の二人に試合が組まれたということで代理の指導員が来ることに。
代理で打撃の基礎を教える指導員はなんと
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美女でした!
しかしここでつい勇大の口から「女じゃねーか!」と本音が漏れてしまいます。
指導員のまりあはならば認めさせてあげようとスパーリングの申し出をするのでした!

技術はともかくパワーならば自分が上、ローやボディで片付けてやると意気込む勇大ですが、ローはステップであっさりかわされ、パンチもすべて「パーリング」という技術で捌かれてしまいます。
攻め手をすべて封じられた上で強烈な右フックをもらい、ダウンを喫する勇大。
なんとまりあは道場の会長の姪で、オランダで女子キックのチャンピオンになったこともある超一流の選手なのでした。
これはさすがに認めざるを得ない……そんなところで廻がまりあにスパーの申し出をするではないですか!
空手の蹴り技を使って周囲とまりあを驚かせる廻。
バックステップで蹴りをかわしたまりあに廻はここぞとばかりに自分が2敗目を喫することになった「下半身への攻撃と見せかけて右のロングフック」を繰り出したのです!
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KOするには至りませんでしたが、ひやりとさせる場面を作り出した廻。
ですがその後あっさり逆転されて敗戦するのでした。
しかしその「やられた技を自分で使いこなす」という驚きの才能の片鱗を垣間見せるのでした。

その後まりあのもとでみっちりと打撃の基礎を反復練習する廻と勇大。
そこで出会ったのが179センチという長身の女子高生キックボクサー、真希でした。
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年令やキャリアから考えると抜群の身体能力とテクニックを持つ彼女ですが、その長身ゆえ対戦相手がなかなか見つからずにいやいやながらも総合……廻たちと同じアマ修斗に出場することに。
廻、勇大、真希の3人は同じ大会で同時に試合が組まれるのでした。
廻は初勝利をつかむことができるのでしょうか?
総合初挑戦の真希はどうなるのか?
注目の大会の幕があけます!

いままであまり褒めるところのなかった気のする廻の格闘技術がいよいよ上達を始めた本巻。
バキをはじめ、格闘漫画の主人億にはつきもの(?)であるラーニング能力を発揮し、これから飛躍のときを向かえそうです。
やっと主人公らしくなってきましたね!
ヒロイン的存在になりそうな真希との御約束とも言えるイベント
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も体験し、まさに主人公街道まっしぐらです!
また、第1巻に引き続いて格闘技漫画ではさりげなく珍しい「リアルな技術の応酬」が描かれており、こちらも要注目。
格闘技好きならずともうならされる事間違いなしですよ!

格闘技ファン必見のリアル志向総合漫画、「オールラウンダー廻」第2巻は好評発売中です!
勝ちへの執着も見せ始めた廻の成長に超期待ですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


オールラウンダー廻 2 (イブニングKC)
講談社
遠藤 浩輝

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本日紹介いたしますのはこちら、「絶対可憐チルドレン」第18巻です。
小学館さんの少年サンデーコミックスより刊行、週刊少年サンデーにて連載されています。

作者は椎名高志先生。
椎名先生の紹介等は「椎名高志」のテーマにてまとめておりますのでご興味等ございましたらご覧下さいませ。

さて、第17巻では皆本のお見合い騒動が勃発。
一連の騒ぎはともかくとして結局何事もなく終わったわけですが、そんな中薫は自分自身の心の変化に戸惑いを覚えるのでした。

今巻では今までにないチームで作戦が決行されることに。
皆本に紫穂、そして賢木という異色の3人で行う作戦とは、パンドラの手がかりがあると目されるマンションの捜査でした。
単なる捜査ならば戦闘要員は必要なく、サイコメトラーが適任というわけです。
そのマンションにたどり着き、パンドラの一員であるマッスル大鎌らしき人物がすんでいる部屋の前で息を潜める……はずだった3人ですが、痴話喧嘩を始めてしまい逆に攻撃を仕掛けられてしまうのでした。
相手も3人、それも戦闘能力に長けた者ばかり。
賢木は気絶させられてしまい、皆本はあっという間に金属化。
紫穂のもつ拳銃も破壊され、もはや打つ手はなし……というところでしたが、紫穂が機転を利かせ、不安定な合成能力者であるパティが能力使用中にスタンガンを叩き込み、テレポートを暴走させることによって窮地を脱したのです!
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しかしその代償は大きく、暴走の結果どこかも分からないところへ飛ばされ本格的に行方不明になってしまう6人。
暴走の渦に巻き込まれた結果、超能力は使用不能となり、電子機器も故障してしまっています。
皆本は金属化したまま、マッスルも自分のみを守るためとっさに金属化して行動不能。
暴走の中心にいたパティと紫穂はまだ意識を取り戻しません。
起きているのは賢木と藤浦。
藤浦は兵部の考える「現在はチルドレンに対して静観する」というスタンスに同調できず、チルドレンだろうと邪魔ならば殺してしまえばいいなどと考えている危険な存在。
対して賢木も必要ならば人を殺すこともいとわない覚悟を持っています。
一触即発の二人ですが、藤浦の超能力が使えないこともあり、とりあえずは休戦。
バベルかパンドラの助けが来ることを待つのでした。

その頃、兵部たちは仲間が行方知れずになっていたことを感知。
しかしさすがの兵部でも仲間がどこにいるのかまったくわからず、チルドレンに助けを求めにくるのでした。
薫には紫穂や皆本の危機を感じる特別な何かがある、そうにらんでのこと。
本来なら蕾見たちに頼りたいところですが、パンドラとバベルの関係を考えるとそうもいきません。
……が、
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その蕾見がどこから嗅ぎ付けたのか即効で現れます!
年の功ですか!
こちらも一触即発のムードとなりますが、やはりこちらも仲間を助け出すまで休戦ということに。
そして蕾見はわざわざやってきただけあり、スケールのでかい作戦を実行します!
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宇宙からの捜索を!!
捜索を始めてまもなく、薫はその特別な力を発揮し6人の居場所を特定!
さあ助けに行こう……という場面で兵部はやっぱり裏切るのでした。
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コロニー落としならぬ衛星落とし!
蕾見たちは放置などできるはずもなく、衛星のサルベージをしている隙に兵部たちが寝首を書こうという算段の様子。
まんまといっぱい食わされてしまった形になりますが、蕾見にはなにやら逆転の考えがあるようで……

驚きの追撃、そして始まるバトル!
この騒動はどんな結末を迎えるのか、注目です!
さらにこの後始まる新たなシリーズではより衝撃的な展開が待っており、先が気になること!
読者の心をがっちり捕らえて離しません!

大きな転機の予感が漂う「絶対可憐チルドレン」最新第18巻は好評発売中です。
なにやら平野綾さんが仕上げをした原稿が載っているおまけ漫画も収録し、色々注目の一冊となっていますよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!


絶対可憐チルドレン 18 (少年サンデーコミックス)
小学館
2009-09-17
椎名 高志

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ただ決まっていること ...
ぼちぼちシリアスモー ...
近付く未来チルドレン ...
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本日紹介いたしますのはこちら、「月光条例」第6巻です。
小学館さんの少年サンデーコミックスより刊行、週刊少年サンデーにて連載されています。

作者は藤田和日郎先生。
藤田先生の作品紹介等は「藤田和日郎」のテーマにてまとめておりますので、気が向きましたら見てやってくださいませ。

第5巻では合法執行者を名乗るイデヤと工藤が登場。
違法執行者と呼ばれ、今までどおりに条例執行をすることが難しくなった月光たちですが、そんな苦難をものともせずに「おむすびころりん」に条例執行。
元通りに戻すことに成功するのでした。
しかしその後また新たな御伽噺が出現します。
それは誰もがよく知るあの「赤ずきん」でした……

この第6巻では赤ずきん編が収録。
その赤ずきんは「かんばやしごうぞう」という人物を殺そうと暴れまわります。
しかし本来「月打」によって暴れまわるキャラクターは自分のしたいこと、喜びの為に行動するもの。
御伽噺の主人公に「殺人」を喜びにするものなどいません。
ましてやあの赤ずきんちゃんが、ならばなおさらです。
何か深い事情があるのでしょうが、次に失敗したならば自分の地位が危うくなるイデヤにとって知ったことではありません。
イデヤと工藤が赤ずきんの元にたどり着いたとき、まさに赤ずきんが「かんばやしごうぞう」を殺害しようとしていたところでした。
イデヤは奮闘しますが赤ずきんちゃんは予想以上の強さで、その身を丸呑みにされてしまいます。
もはや止める者はいない……そんな時現れたのが月光でした!
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月光は赤ずきんがなぜ人を殺そうとするのかを聞きだそうとします。
ですが赤ずきんは聞く耳を持たずに襲い掛かってくるのです。
月光はそれを真っ向からたたき返すのですが、条例執行までには至らず赤ずきんはその場から逃げ去ってしまいました。
神林(かんばやし)をまた殺しにくる、と言い残して……

赤ずきんの暴走はどうやら50年前に起こった火事にあり、神林はそれについてないかを知っているようです。
ですが神林はそれを語ろうとはしません。
怪しいといえば怪しいのですが、神林は元警察で悪いことをするような人間ではない様子。
それでも何かかかわりがあるのは確かで、月光たちはその真相を知るべきだと神林の元へ向かいます。
しかしイデヤはちがいました。
赤ずきんの事情など知ったことではなく、どんな手段であっても条例を執行しようとしたのです。

御伽噺の人物にも通用する特殊な武装をした部隊を率い、赤ずきんを蜂の巣にしてしまうイデヤ。
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さすがの赤ずきんもかなり衰弱し、イデヤに追い詰められてしまいます。
必死の思いで逃げ出す赤ずきん。
その胸の中には50年前に起きた悲劇と、50年間「月打」されることを望み続けてきた赤ずきんの強い思いが浮かんでいるのでした……

月光たちはその50年前の悲劇を神林の口から聞いていました。
神林と赤ずきんに殺された二人がある家に放火したこと。
最初はすぐ消すつもりだったが想像以上に燃え広がってどうにもならなくなってしまったこと。
そしてその家事の家に一人の少女が取り残されてしまったこと……
自らの本が燃え尽きていくなか、赤ずきんはその少女の仇を討つべく、聞こえていた神林たちの名を脳裏に刻み付けて「月打」されるときを待ち続けていたのでした。
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そんな思いを知ろうともせず、イデヤは赤ずきんを完全に追い詰め、とどめの剣を振るいます。
そこに再び現れた月光!
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条例執行の前にどうしても赤ずきんに会わせたい人物がいるから待ってくれと、土下座までして頼むのでした!

このあと物語は意外な方向へと進みます。
赤ずきんの歪んでしまってはいるものの、一途な想いの行方は?
追い詰められたイデヤは月光の頼みをおとなしく聞くのか?
そして赤ずきんに会わせたい人物とは?
だむですとろいなストーリー、注目のフィナーレです!

本作中屈指の長編となった赤ずきん編が終了し、物語も一段落。
強烈な登場シーンの印象が強い赤ずきんでしたが、「月打」されても元の自分を失ないやさしすぎるキャラでした。
……狂ってはいますけど!
物語もハッピーエンドで終わり、あとにしこりを残さない名エピソードだったといえるのではないでしょうか。
そしてライバルキャラとして現れたイデヤと工藤ですが、どうやらまたも立ち位置が変わりそうでして……
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なんか工藤さん、エンゲキブよりもよっぽどヒロインしてます!
今回のおまけページで藤田先生がネット上のファンや他の漫画家さんの意見を取り入れて、以前登場したゲストキャラをきっちり名前をつけて再登場させた、ということが書かれていました。
エンゲキブ、いまいち人気薄な気がしますので……幼馴染だからってうかうかしてられませんぜ!!

だむですとろいい話が堪能できる、「月光条例」最新第6巻は好評発売中です!
感動できるストーリーが展開され、楽しめる本作ですが、贅沢を言えばそろそろ物語に大きな流れを作ってほしいところ。
ですが藤田先生なら……藤田先生ならきっと何とかしてくれます!
今は赤ずきんちゃんと工藤に萌えればいいさ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!


月光条例 6 (少年サンデーコミックス)
小学館
2009-09-17
藤田 和日郎

ユーザレビュー:
いいものは良い月光条 ...
だむですとろ~~い! ...
絵が、、、藤田和日郎 ...
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本日紹介いたしますのはこちら、「シグルイ」第13巻です。
秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスより刊行、チャンピオンREDにて連載されています。

作者は山口貴由先生。
山口先生とその著作の紹介は「山口貴由」のテーマにてまとめておりますので、御時間など余裕がございましたらごらんください。

第12巻でその身と心に力を取り戻した藤木。
運命の御前試合はすぐそこまで迫ってきています……

第13巻ではいきなり藤木と三重が月岡の家を出ることになります。
同じ屋根の下に住む伊良子たちとの確執がトラブルを招いたためです。
藤木たちが預けられることとなったのは槍術の使い手、笹原修三郎の屋敷でした。
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笹原は駿河に集う武芸者たちを一時的に預かり、人格や技を見極めて推挙するか否かを決定する立場についている者です。
笹原に導かれてとりあえずの住処となった庵についた数時間後、さっそく藤木を訪ねるものが現れました。
笹原の門下である槍の使い手、猪又という人物でした。
彼は藤木に手合わせを申し込みますが藤木は気が進まない様子。
しかし口をついてでた伊良子の名を聞くや藤木は木剣をもって構えたのです。
猪又は槍と剣の間合いの差、そして藤木が隻腕であり、刺突をいなすこともできないと考え、負けることはありえないと槍を放ちます。
……が、藤木は槍を持つ手に向かって剣を振るいました。
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猪又の左手を砕かれ、もはや勝負は決したも同然。
ですが虎眼流にすべてをささげて来た藤木は虎眼流の流儀に従い、伊達にするための2撃目を放ちます!
が、その剣が猪又に届くことはありませんでした。
笹原が駆けつけ、その長い腕で木剣を掴み止めたのです。

一方その頃、伊良子は忠長の戯れで人食いの狒々をしとめていました。
冷たく硬い石牢にあっても放つことが可能となった無明逆流れにもはや死角がないも同然。
しかし勝利の後、伊良子は忠長の機嫌を損ねる発言をしてしまいます。
刀を抜けと指示され、避けねばもちろん死亡、刀を抜けば護衛に切り殺され、よければ無礼として手打ちという詰み状態に追い込まれてしまう伊良子。
ですが、目の見えない自分には普通のものが見えないものが見え、そのまぶたには忠長は将軍として映る、将軍に対して刀は抜けない……と発言することによって九死に一生を得るのでした。

剣術も話術も、すべてにおいて藤木を上回っている伊良子。
先ほど指を飛ばした猪又の親に対しても空気の読めない、いや空気の読まない発言をして憤慨させてしまいます。
その不遜きわまる態度に笹原も堪忍袋の尾が切れたのか、藤木に指南をつけると道場に招きました。
天下一と言っても過言ではない槍術の使い手である笹原に、さすがの藤木も一筋縄では行きません。
いきなり流れの構えをとる藤木に対し、笹原は槍先を地面スレスレに構えます。
その姿はさながら無明逆流れ!
藤木は以前の戦いを思い出して簾牙の構えへと以降し、突進します。
左の剣で相手の剣を受け、そのまま右の剣で相手を切る。
無明逆流れの前では無力となってしまったこの技ですが、相手が練習用の槍ならば間違いなく威力を発揮するでしょう。
ですが悲しいかな現在の藤木には防御の左剣を持つ腕がありません。
藤木の右剣は笹原の頬にわずかな傷をつけるにとどまり、逆に腹へと痛打を受けてしまう結果に。
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敗北した藤木に笹原は伊良子にはかなわない、駿府より去れと言い放つのでした。

その後も負けたことも気に留めていないかのように無表情で訓練の毎日を送る藤木。
ですがあることをきっかけに無明逆流れ打倒の技を思いつくのです。
型破りにもほどがあるその戦法ですが、藤木の目はもはや打倒伊良子の一念を映すのみ。
無礼とされようと何があろうと、藤木にはもはや関係がないことなのです……


今回登場した笹原は原作の「駿河上御前試合」の「がま剣法」にて屈木と勝負することになる人物。
原作では当然関わらない二人が関わり合い、さらに原作から大きく逸脱して先の読めない物語となっています。
伊良子は逆流れの完成度をより高め、藤木は逆流れ対策を完成。
刻一刻と迫る対決の決着も予測不可能!
原作とは違った結末になる可能性も否定できないのではないでしょうか!

いよいよ藤木、伊良子の双方準備が整い、対決ムードの高まり始めた「シグルイ」第13巻は好評発売中です!
笹原の人物像も掘り下げられ、本気で御前試合全試合漫画化する感じがしてまいりました!
どうなるかは山口先生のさじ加減しだいですが……何年かかるんでしょうか!!
……うれしいような困るような……
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


シグルイ 13 (チャンピオンREDコミックス)
秋田書店
2009-09-18
南條 範夫

ユーザレビュー:
舌切り槍、笹原修三郎 ...
面白い…が内容は、原 ...
張り詰めたテンション ...
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